ゴジラ7・5‐追憶‐




ゴジラもまた、その全身を蔦によって縛り上げられていた。
熱線の連続使用で著しく力が下がり、攻撃すら出来ぬままゴジラは僅かな抵抗をする事しか出来ず、徐々に体力を奪われていく。
だがその時、突如ゴジラの体を蒼い光が包んだかと思うと、ゴジラに凄まじい力が沸いて来た。



ディガアアアアアアオン・・・



ゴジラはすかさず威力の増した放射波動を放って纏わり付く蔦を殲滅し、熱線でアイヴィラに攻撃を仕掛ける。
螺旋にも似た形状をした熱線はアイヴィラに当たり、強固な胴体を簡単に弾き飛ばした。





「あれは・・・?」



アイヴィラと距離を取り、その様子を見ていた瞬もゴジラの異変に気付いた。



――まだゴジラにあんな力があったのか?
いや、とてもそんな様子では無かったが・・・?



ゴジラ自身、奥底から沸いて来た様なこの急激な力のインフレーションに驚いていたが、その答えは自分の脳裏に伝わって来た。



――俺だ、ゴジラ。



ゴジラは辺りを見渡し、声の主を探す。
確かな聞き覚えのある声を辿り、すぐにゴジラは足元の林に目をやる。



「よっ、助けに来たぜ。」



そこにいたのは、紛れも無い志真であった。
右手には「勇気」の結晶が握られており、ゴジラと呼応して蒼く光っている。



――・・・この指輪は、俺の勇気と反応して何かを『増幅』させる。
そう、これは俺の勇気が認められた証、『結晶』さ。
これでやっと俺はお前の力になれる。ずっとお前に助けられて来た、恩が返せるんだ!
これからもよろしくな、ゴジラ!



グルルルル・・・



心からの言葉を伝えた志真は、ゴジラに手を伸ばす。
ゴジラもまた志真に手を伸ばし、一本の指を志真の手にそっと添えた。
同時に指輪は更に強く輝き、それは人間と怪獣と言う種族の垣根を超えた「絆」が決して離れない程に固くなった証であった。
指輪を介して志真の頭に流れて来るゴジラの意志、それは今まで伝えたくとも伝えられなかった事のもどかしさ。



「・・・これが、お前の言葉だな。
なに言ってんだ、言葉なんて無くても俺達は意志を伝え合えただろ?気にすんなって。」
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