ゴジラ7・5‐追憶‐
――・・・そうだ、奴は俺に執着している・・・
自らを一度は葬った、俺を・・・
瞬はそこで現在の時間に戻ったが、既にバランとゴジラはアイヴィラへ向かっていた。
だが硬度と長さの増した蔦は本体へ近付けさせんと二体を阻み、弾く。
ゴジラは牙や爪で蔦を裂き、打撃を寄せ付けないバランは蔦を押し退けアイヴィラの本体を目指すが、アイヴィラは瞬時に蔦を絡めて二本の太い蔦を作りダブル・アタックをバランにぶつける。
流石のバランもこの一撃には堪えてしまい、無数の蔦に弾かれた。
「お前の思い通りにはさせん!」
瞬も空中から一気にアイヴィラの本体に向かい、ミサイルを連発する。
が、アイヴィラはもはやミサイルすら受け付けない硬さと再生力を身に付けており、胴に隠れた核を晒す事さえさせない。
「全く通じないだと・・・!」
その間にアイヴィラは蔦をむささびへ向けて伸ばし、数発直撃させた。
「むっ・・・!」
何とか耐えたものの、むささびは機能及び耐久性を低下させてしまった。
それでもアイヴィラに向かおうと試みるも、今のむささびでは蔦をかわすのに精一杯であった。
ディガアアアアアアオン・・・
グウィウウウウウウン・・・
ゴジラは一吼えし、熱線をアイヴィラに放つ。
熱線は蔦によって阻まれてしまうが、その間を縫ってバランも真空圧弾を撃ち、アイヴィラに直撃させた。
しかし、傷の合間から見えた核は一瞬でまた姿を隠してしまい、皮膜を広げたバランは勢いを付け、今度は滑空しながらアイヴィラへと向かう。
阻む蔦を強引に引き千切り、棘で破壊しながら本体へと迫るバラン。
だがアイヴィラはバランを避けようとせず、口を開けて口内から生える蔦を絡めて一つの巨大な蔦にした。
ヒィヴァァァァァアン・・・
そしてバランが目前に迫った時、アイヴィラは口内の蔦を打ち出した。
バランはすんでの所で体を回転させ回避行動を取ったが、その蔦「ブレイカー・アイビー」は酸性の液体にまみれており、蔦を完全に避けきれなかったバランの背中は易々と切れた。
グガアアアン・・・
バランは滑り込む様に地面に倒れ、苦悶の声を上げる。
ゴジラも加勢に加わろうとするが、激しく動く蔦はゴジラを中々寄せ付けない。
何とか熱線で粉砕するもすぐに大地から生え、絡まった蔦によるダブル・アタックを見舞う。
「バラン!貴様ぁ!」
瞬はむささびの能力低下をもろともせず、アイヴィラへと突っ込んだ。
差し向けられる蔦を避け、ショットガンと爆雷を併用してアイヴィラに連続で攻撃を与える。
しかし、それでもアイヴィラは怯みもせずにブレイカー・アイビーをむささびへ打ち出す。
瞬は直ぐ様回避しようとするも、能力が低下したむささび自体の反応が追い付かず、尾の部分に当たる後部が破壊されてしまった。
「ぐうっ・・・!」