ゴジラ7‐来襲・宇宙超怪獣‐
志真は一旦遥と別れ、闘い終わってホテル郊外の荒野にいるモスラの元へ向かった。
「モスラ、俺に何か用が・・・」
『『お久しぶりです、志真さん。』』
「うおっ!」
モスラに話し掛ける前に志真へ話し掛けたのは、志真の足元にいた小美人だった。
久々なこの体験に、志真は相変わらずの反応を示す。
「ほんと、びっくりした・・・」
『こんなやりとりも、久しぶりですね。』
「これは毎回驚いちゃうよ・・・それで、俺に何か用?」
『貴方に、渡したいものがあるのです。』
「俺に渡したい・・・もの?」
『志真さん、モスラの前に立って下さい。』
「わ、分かった・・・」
戸惑いながらも志真はモスラの前へ向かって歩いて行く。
と、その時突如志真の足元がインファント島の紋章の型に輝いた。
これまた突然の出来事に志真は足を止めるが、それと同時に志真にはこの出来事に覚えがあった。
そう、遥が昔「愛」の結晶を受け取った時だ。
「こ、これって・・・」
『『世界を変える勇気を持つ貴方に、「勇気」の結晶を授けます。その強さが、永久に有らん事を・・・』』
カクィオオオオウン・・・
モスラは鳴き声を響かせると額に光の塊を作り、志真の眼前に送った。
やがて光は志真の前で砕け散り、その姿を現す。
「指・・・輪?」
そこにあったのは金色の指輪に似たもので、紋章が入った楕円状のものが輪と十字を成す様に付いていた。
指輪が輝きを失うと共に足元の紋章も消え、落ちる指輪をすかさず志真は両手で受け止める。
「『勇気』の、結晶・・・」
『『貴方にこそ、これを持ってもらいたいと思いました。』』
「お、俺にこんな凄いのを渡していいのか!?」
『『はい。貴方の勇敢さを見続けた私達と、モスラの総意です。』』
「あ、ありがとう・・・大切にするよ!」
『それにもうすぐ、その結晶が必要になる時が来ます。』
『その時まで、その勇気を失わないで下さい。』
「大丈夫!たとえ、どんな事があっても・・・俺は、絶対に勇気を捨てない。」
志真は右手で「勇気」の結晶を掴むと、空に光る太陽に勇ましく掲げた。
それは小美人と、自分への誓いであった。