ゴジラ7‐来襲・宇宙超怪獣‐






グアアアア・・・



チャイルドが力に目覚めた一方で、ゴジラはキングギドラによって捕縛され、身動きが取れずにいた。
両手を噛みつかれた上に首元をキングギドラの首が縛り付いており、全身も翼がしっかりと固定されている。
かつてバランと闘った時のように放射波動を放てば何とかなるかもしれないが、キングギドラの強力な捕縛で体に力が入らず、とても波動を放てない。
チャイルドを取り戻す為にここまで来たのに、自分はここで終わりなのか・・・
ゴジラの心が、諦めに支配されつつあった。



シュピイイイイ・・・



・・・と、そこへ微弱な青い熱線が飛んで来たかと思うと、キングギドラの背中を直撃した。
キングギドラにとっては致命的でもなかったが、この不意打ちに捕縛力が緩み、一瞬隙が出来る。
それを突いてゴジラは一気に全身に力を込め、放射波動を放った。



ガァヴァラララ・・・

ギリィリリリリ・・・



二段突きの不意打ちに後ろへ倒れ込んだキングギドラに、ゴジラは更に熱線を放ってキングギドラにダメージを与える。
やがてゴジラの目に見えたのは、奪われた我が子・チャイルドであった。



ギュオオオオン・・・



ゴジラも急いでチャイルドの元に駆け寄ろうと、キングギドラを横目にチャイルドへ向かう。
しかし、闘いに水を差されたキングギドラの怒りの矛先は、チャイルドに向いていた。
キングギドラは倒れたまま引力光線を放ち、ゴジラの背中を攻撃した。
我が子との対面まであと僅かと言う所で、力尽きてしまうゴジラ。
突然倒れたゴジラに驚きを隠せないチャイルドだったが、その驚きは恐怖へと変わる。
ゴジラの背後から現れたのは自分を連れ去ったあの怪獣、キングギドラだったからだ。



カァララララララ・・・

キィリリリリリリ・・・



親から引き離され、この知らない世界の牢獄へ閉じ込められた時の恐ろしさが再びチャイルドに襲いかかり、チャイルドを震え上がらせた。
だがキングギドラは容赦無くチャイルドへ引力光線を放ち、チャイルドを攻め立てる。
足元を通る引力光線はチャイルドの恐怖心を悪戯に煽り、遂にチャイルドは目を閉じてその場にうずくまってしまう。
しかしチャイルドの頭の中に、ゴジラの最後の姿がよぎった。
あの怪獣のせいで、いや・・・自分のせいで倒れてしまったゴジラ。
そんなゴジラに、今こそ何かしないといけない。



ギュオオオオン・・・



チャイルドは閉じた目を開け、立ち上がると空中のキングギドラをはっきりと見つめた。
その様子を見ていたゴジラは、今まで自分の後ろを着いてきていたあのチャイルドとは全然違う、まるで志真にも似た勇ましさを感じた。
キングギドラはいきなり様子が豹変したチャイルドに戸惑いを見せるも、引力光線を地上のチャイルドへ放つ。
が、チャイルドは引力光線をジャンプしてかわすと、背鰭を青く光らせて淡射熱線をキングギドラへ放った。



シュピイイイイ・・・



熱線はキングギドラへ向かい、キングギドラの中央の頭に当たった。
弱点を突かれたキングギドラは昏倒し、一旦地面に着地する。
先程の体験で、チャイルドは上手く体内のエネルギーをコントロール出来るようになったのだ。
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