ゴジラ7‐来襲・宇宙超怪獣‐
場所は変わって、ここは今にも地球に迫る地球の衛星・月。
その月のある巨大なクレーターの中で、一体の怪獣が月の引力を吸収していた。
キングギドラだ。
カァララララララ・・・
キィリリリリリリ・・・
宇宙怪獣の時間の流れは、地球の生き物とは異なる。
ここ数日間引力を吸収し続けているキングギドラだが、彼にとっては吸収を始めて数時間程でしかないのである。
だからこそ、半日を掛けてこちらに辿り着いた銀色の物体にもすぐ気が付いた。
一旦引力吸収を止め、キングギドラは三ッ首の角を黄色に光らせると、引力光線で目障りなその物体を破壊する。
しかし、そのスペースデブリ・・・宇宙ゴミとなった物体を掻き分け、黒い何かが姿を現した。
ディガアアアアアアオン・・・
そう、ゴジラである。
ゴジラはそのままキングギドラに向かって落下し、キングギドラに強烈な先制攻撃を喰らわせた。
更にゴジラはマウントポジションを取ると、隙を見せたキングギドラの首を何度も殴打する。
キングギドラは無理矢理起き上がってゴジラを振り払おうとするも、 ゴジラは体重を掛けてキングギドラを地面に抑え付け、引き下がらない。
カァララララララ・・・
キィリリリリリリ・・・
しかし、このまま殴られたままのキングギドラではない。
翼の先端をゴジラに向けると、重力波を出してゴジラを弾き飛ばした。
月の地面を転ぐゴジラだが、すぐに起き上がって背鰭を光らせ、熱線をキングギドラへ放つ。
だがキングギドラは体を翼で覆い、ゴジラの熱線を容易く防御した。
それにも怯まずゴジラは再び熱線を放つが、今度は飛翔してかわされ、空中から引力光線を受ける。
光線の威力にうずくまるゴジラにキングギドラは飛び回りつつ引力光線の応酬を浴びせ、ゴジラに攻撃の隙を与えない。
そして体勢を崩したゴジラにキングギドラは足を立て、勢いを付け迫った・・・が、 ゴジラは蹴り付けられる寸前に背鰭を逆立て、キングギドラの右足を斬り付けた。
ガァヴァラララ・・・
ギリィリリリリ・・・
苦悶の叫びを上げて地面に墜落したキングギドラにゴジラは近づき、むんずと尾を掴む。
そこからゴジラはキングギドラを持ち上げ、地面に叩き付けた。
何百m・何万tはあるキングギドラの巨大を抑え込み、ゴジラは二回、三回とキングギドラにダメージを与えていく。
さしものキングギドラもこれは苦しそうだったが、キングギドラはその三ッ首全てを振り返らせて背後を向き、ゴジラに引力光線を放った。
引力光線をもろに受けたゴジラは手を離してしまい、キングギドラを自由にしてしまう。
キングギドラは尾をゴジラに叩き付けてゴジラを振り払うと、飛翔して引力光線をゴジラに放つ。
威力に耐えきれず、地面に倒れ込むゴジラをキングギドラは空中から降下して力強く踏みつけ、それを幾度となく繰り返す。
グルルルル・・・
ゴジラは何とか反撃しようとキングギドラの左足を掴み、手を痛めながらもキングギドラを地面に投げた。
が、キングギドラは素早く起き上がり、同じく起き上がったゴジラを蹴り付け、ゴジラに再接近する。
しかしゴジラも負けじと放射波動を放ち、キングギドラを後退させた。
まさに、一進一退の状況だ。
ディガアアアアアアオン・・・
カァララララララ・・・
キィリリリリリリ・・・
互いに距離を取り、咆吼を響かせながら睨み合う二体。
ゴジラは背鰭を、キングギドラは角を光らせたかと思うと、同時に自慢の技を放ち合った。
熱線と光線は凄まじくぶつかり合い、月を揺るがす大爆発を起こす。