ゴジラ7‐来襲・宇宙超怪獣‐




・・・だが、ゴジラが向かう空から無数の黒い「何か」が迫って来ていた。



キリキリキリリ・・・

ギャラララララ・・・

ガァアアアアン・・・

ギィウウウウン・・・



そう、一時的に宇宙へ逃れ、生き残っていたギドラ一族だ。
民衆は大パニックに陥り、急いで発射場から離れて行く。
だがカプセルは既に空へ飛んで行っており、もう戻るのは不可能になっていた。



「やっぱり、まだ生き残ってたのか!」
「モスラ!お願い!」



カクィオオオオウン・・・



遥の呼び掛けに、宇宙センターの外で待機していたモスラがギドラ一族に向かった。
モスラは光子ネットでカプセルを破壊しようとするギドラを弾き、少しでもカプセルへの接近を阻止しようとする。
しかし残党とは言え、ざっと50はいるギドラ一族を全て退ける事は出来ず、一体のナイトギドラの接近を許してしまう。
全力でカプセルへ向かうモスラだが、アクアギドラとソルジャーギドラの群れがそれを阻む。
その隙に、ナイトギドラはカプセルに電圧光線を撃とうとした・・・その刹那、彼方から突如飛んで来た真空の弾丸がナイトギドラを駆逐した。
鱗粉を撒き、ソルジャー・アクアギドラの群れを退けたモスラが見たのは、勇ましく皮膜を広げてこちらへ来るバランであった。



グウィウウウウウウン・・・



「バラン・・・!」
「あいつ、こんな所まで来てくれたのか・・・」



と、志真と遥の元にヘルメットを片手にイースとウェイスがやって来た。



『2人共、早くここから避難して下さい!』
『いくら危険に慣れっこでも、一応は一般人だからな!』
「は、はい!」
「貴方達は、これからどうするんですか?」
『ギドラ一族を駆逐しに行きます。アメリカの、世界の平和を守るのが私達の仕事ですから。』
『ここにはN波のデータもあるし大丈夫だ!あとはオレ達に任せてくれ!』
「分かりました!」



志真と遥は2人に案内され、宇宙センターを出た。
それと同時に発射場にはN波が流れる。
電波の反響が少なく、ギドラ一族の動きを鈍くするくらいしか効果はなかったが、バランとモスラ、出撃したアメリカ空軍の航空部隊にはこれで十分だった。



『ったく、怪獣どもはオレ達の出番を減らす気かよ!』
『まぁそう言うな。カプセルが無事ならいい。』
『へっ、だな。』
「では、あとはお願いします!」
『おう!』
『了解!』



一方、バラン・モスラはギドラ一族を破竹の勢いで駆逐していた。
空中で互いに交差し、また違う目標を倒しに向かう。
この場に集う皆に守られながら、ゴジラ・・・カプセルは空へと消え、成層圏を突破して行った。
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