ゴジラ7‐来襲・宇宙超怪獣‐







同刻、鍵島ではナイトギドラが今にもチャイルドに迫ろうとしていた。
最初はまた友達が出来ると思ったチャイルドだが、すぐにそんな相手では無いと悟り、背鰭を白く光らせ、ナイトギドラに熱線を吐こうとする。
しかしチャイルドが出したのはやはり円形の煙の様なとても熱線とは言えないものであり、直撃したにも関わらずナイトギドラは感知すらしていない。



ギュウウウ・・・



ナイトギドラへの恐怖から少しずつ後ずさりするチャイルド。
そんなチャイルドを楽しむかの様にナイトギドラは一歩、また一歩とチャイルドに近付いていく。



シュゴオオオオオオオ・・・



と、その時ナイトギドラの背後から青い熱線が飛んで来た。
チャイルドに意識が向かっていたナイトギドラは熱線をかわせず、直撃を見舞って砂浜に倒れる。
それから水柱を立てて現れたのは、ゴジラだった。



ディガアアアアアアオン・・・



砂浜に上陸したゴジラは起き上がったナイトギドラを尾で跳ね退け、急いでチャイルドに駆け寄った。
チャイルドもすぐゴジラの後ろに隠れ、足をぎゅっと握りしめる。



ギャラララララ・・・



再び起き上がるナイトギドラだったが、突如体を下に向け、三つ首をだらりと落とす。
ゴジラもナイトギドラの異変に気付き、チャイルドを庇う体勢に入る。
するとナイトギドラの体が激しく痙攣し始め、それと同時に体が巨大化していった。
翼は横から縦へと広がり、鉛色の体は黄金の鱗に包まれ、頭部からは二対の鋭い角が生えてくる。
変化が大きくなるにつれ、ゴジラの頭にある光景がフラッシュバックした。
数日前、同じ所で対峙した黄金の三つ首龍の事を。
そして、ナイトギドラ「だった」怪獣は飛翔し、その正体をゴジラとチャイルドに晒した。



カァララララララ・・・

キィリリリリリリ・・・



そう、このナイトギドラの真の姿はカイザーギドラ同様、別の姿に変態していた宇宙超怪獣・キングギドラであった。
先程とは違い過ぎる凄まじいオーラを放つキングギドラにゴジラは一瞬怯むが、後ろで不安がるチャイルドを守る為、熱線をキングギドラへ放つ。
だがキングギドラはぴくりとも動かず、翼で全身を包むとゴジラの熱線を軽々と受け止めた。



キリキリキリリ・・・

キリキリキリリ・・・



更に何処からかソルジャーギドラの群れが鍵島に向かって来た。
N波の影響で衰弱しながらも真っ直ぐキングギドラの元に来た所を見ると、どうもキングギドラが予め呼び寄せていたようだ。
キングギドラはソルジャーギドラに命令するかの様に地上のゴジラに首を向けると、ソルジャーギドラは一斉にゴジラへ向かって行った。
ゴジラは絶対チャイルドには近付かせないと熱線を放ち、ソルジャーギドラを数匹駆逐する。
しかしながらソルジャーギドラの数はやはり多く、上陸を許してしまう。



キリキリキリリ・・・

キリキリキリリ・・・



ソルジャーギドラ達は一斉に破壊光線を撃ってゴジラにダメージを与えるが、ゴジラはそれでもなお熱線を放ち続け、ソルジャーギドラの接近を許さない。



ザァアアアアアアアア・・・



だがそこへキングギドラは上空から引力光線を放ち、複数のソルジャーギドラもろともゴジラに攻撃を与えた。
凄まじい威力にゴジラは昏倒してしまうが、何とかその場で踏み留まり、ソルジャーギドラの群れへ前進して行く。
ソルジャーギドラ達はまた光線を一斉発射してゴジラを阻もうとするが、ゴジラはそれにも耐えると群れの中心に割り込み、全身を光らせて放射波動を放った。



キリリリリ・・・

キリリリリ・・・



数体のソルジャーギドラは直ぐ様逃げたが、逃げきれなかった十数体のソルジャーギドラは一撃で駆逐された。
ゴジラは深追いせずにチャイルドの元に戻って行くが、キングギドラはゴジラが後ろを向いたその隙に引力光線を放った。



グァアアアア・・・



背後を襲う強烈な光線にゴジラは倒れかけるも、何とかチャイルドの眼前に辿り着く。
が、キングギドラは畳み掛ける様に急降下し、ゴジラの後頭部を蹴り上げた。
流石のゴジラもこの一撃には耐えられず、地面に倒れてしまった。



カァララララララ・・・

キィリリリリリリ・・・



意識を失い倒れたゴジラの元に駆け寄るチャイルドだが、それはすぐキングギドラによって引き裂かれた。
キングギドラは翼をチャイルドに向けると、反重力の波動を放ち、チャイルドの自由を奪う。
更にキングギドラはそのまま飛び立つと、チャイルドをも空へ連れて行こうとする。
チャイルドは必死に抵抗するが、宙をじたばたとするだけしか出来ない。



グルルルル・・・



意識を取り戻したゴジラが見た光景、それは大切な我が子が侵略者に連れて行かれる所だった。
ゴジラは何とか起き上がり、段々と見えなくなっていくキングギドラへ熱線を放つ。



キリキリキリリ・・・

キリキリキリリ・・・



しかし、キングギドラは残っていた数体のソルジャーギドラを熱線の盾にした。
王の命令に従い、兵隊達はゴジラの熱線の中に消える。
そしてその間にキングギドラはチャイルドを連れ、空の彼方へと去ってしまった。



ディガアアアアアアオン・・・!



悲痛な叫びを上げるゴジラ。
今の彼には、去って行くキングギドラとチャイルドを見ている事しかできなかった・・・
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