ゴジラ7‐来襲・宇宙超怪獣‐




『しかしまだ話は早い。今度は君が話す番だ。』



昨日、ロシア・モスクワの日本大使館にて志真はマルコにある事を話していた。
そう、それはギドラ一族を倒す方法。



「はい。では、お話しします・・・『N波』を使うんです。」
『N波?何だそれは。』
「N波とは日本にのみ流れている特別な電波です。日本はそう大きくはない島国ながら、大自然の起伏と巨大な都市が多数密集している、特異な地です。またその都市では、無数の電波が飛び交ってます。つまり、日本には都市だけでなく自然の起伏や電波も密集しているのです。その電波同士が折り重なって偶然発生したのが『N波』です。」
『N波・・・それは本当かね?』
「あくまで仮説ですが、理由はあります。今世界中がギドラ一族の脅威に晒されていますが、ただ一つだけその脅威に晒されていない国があるんです。」
『何処だ、そこは?』
「・・・日本です。」
『日本が?』
「はい。今の所、日本にギドラ一族が出現したという報告はありませんし、自衛隊も出動していないようです。それにギドラ一族は独自の電波を発しているらしく、ギドラ一族が通過した所は必ず電波障害が報告されています。」
『ふむ、つまりギドラ一族がN波を嫌うのは・・・』
「N波によって同族との電波交信が妨害されてしまうから。そしてN波が流れている地区は、日本しかありません。」
『・・・ミスター志真、君には本当に脱帽だよ。勇気だけで無く、知識まで備わっているとは。』
「いえ、この仮説を確かなものに出来たのも、自衛隊にいる旧友が助言してくれたからです。」
『そうか・・・それは優秀な知人を持ったものだ。ありがとう、ミスター志真。君にはどれだけ感謝してもしきれない。』
「いえいえ、貴方達も勇気を出したのですから、私も答えないと。それにもう一つ、見てもらいたいものがあります。」



そう言うと志真は机の上にリュックを置き、中から封筒を出してマルコに差し出す。
封筒を開けると、中には何かの波長の様な物が書かれた紙が入っていた。
書かれた波長はとても振り幅が激しく、短かったり長かったりとランダムな波長だ。



『これは一体?』
「N波の波長です。これを参考に。」
『重ね重ねすまない。それで、いつこれを公表すればいいんだ?』
「私が明日の昼までに日本へ帰国し、大手のテレビ局から電波を流す予告を日本時間の正午に全国に一斉放送しますので、それまでにN波の事を伝えて下さい。」
『分かった。すぐにでも公表しよう。』
「ギドラ一族の件も、忘れないで下さいね。」
『もちろん。』
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