ゴジラ‐世紀の大怪獣‐
「こちら『らく』。今の所海底に異常無し。」
『了解。』
西暦2008年・4月。
東京湾の底を潜水調査艦「らく」が調べていた。
艦内では2人の乗組員が海底調査組合本部と連絡を取っている。
「しかし、それにしてもヘドロだらけだなぁ・・・」
「うーむ。全くその通りだな。人間はここまで自然を変える事ができてしまう生物であるのか、としみじみ思うよ。」
「おう・・・」
調査艦はそのまま潜行を続けていく。
すると、ライトが海底から突き出る謎の棘を捉えた。
その棘は数十mにも及ぶ大きさで、しかもその棘は列を成して複数突き出ていた。
「なんだろう、これ?」
「さあ。こんなに大きい棘は見た事が無い。」
「恐竜の骨かな?」
「いや、確か恐竜はこんなに大きくない。これはもっと巨大な・・・」
と、その時東京湾に突如大きな地震が起こった。
調査艦の艦内も激しく揺れる。
「くっ・・・地震か!」
「お・・・おいあれ!」
「あ、あれは・・・!」
窓を見た乗組員が目撃した物、それは余りにも大きな生物であった。
乗組員は急いで本部にSOS信号を発信したが、もう既に船体は生物の手の中だった。
「め、めっ・・・目だぁぁぁぁぁぁっ!!」
乗組員の悲鳴と共に、調査艦らくはその後謎の爆発を遂げた。
同刻、小笠原諸島・神島近海を漁船「いっかく」が通っていた。
中では漁師が鼻唄を唄いながら夜空の星を眺めている。
「うーん・・・今日も星がきれいだなぁ・・・」
すると、神島の方向から凄まじい閃光が走った。
閃光に気付いた漁師が神島の方に振り向いたその瞬間、神島が突如大爆発を起こした。
「うわあああっ!」
凄まじい轟音に思わずうずくまる漁師。
その間にも爆発は何度も続き、神島は正に火の海と化した。
「・・・んっだ、な、何が起こって・・・あっ、あああっ!」
恐る恐る頭を上げた漁師の目に入ったのは、燃え盛る神島の炎の中にいる巨大な生物・・・それはむしろ『怪獣』と呼ぶにふさわしいものがいた。
そして怪獣は、天に向かって咆吼を上げた。
ディガアアアアアアオン・・・