ゴジラ7‐来襲・宇宙超怪獣‐







「公表しましょう!」



その頃、ロシア・日本大使館にて志真は強く叫んだ。



『ミスター志真、何を言っているんだ!この事を公表しない事が、真実を話す条件だっただろう!』
「マルコ大使、本当にすみません。聞く前まではそうしようと思っていました。ですが話を聞いている内に、ひた隠しにするべきではないと思ったのです。」
『駄目だ!これは国の威厳に関わる真実、公表するわけにはいかない!』
「貴方達はこのまま北朝鮮、いや世界中の国々から疑われ続けていいんですか?」
『・・・』
「もちろん私からも条件を出します。ギドラ一族を倒す方法を、貴方に教えましょう。」
『なっ、何だって!?』
「個人的に調査していた際、気付きました。きちんとした確証もあります。ギドラ一族を最も倒したいと思っているのは、貴方達の筈だ。」
『・・・そうだ。』
「なら・・・」
『それでも・・・公表は出来ない。』



志真の必死の言葉にも、マルコは首を縦に振らなかった。
自分の故郷であるこの国を守る事を第一としているマルコが、首を縦に振らない事は志真も薄々分かっていた。
それでも志真は諦めず、説得を続ける。



「何故・・・」
『この事を公表すれば、我々ロシアが諸外国からの信頼を失うのは避けられない。そんな事になれば、この国は・・・!』
「故郷を大切にする気持ちは分かります。しかし今、世界が危機に陥っています!そうして罪悪感を背負い、真実を隠蔽していくつもりですか!」
『もう・・・遅いんだ!』
「そんな事、決してありません!」



机を叩き、志真は凄まじい剣幕で熱弁する。
そのひたむきな様子に、マルコの考えも変わっていく。



「今必要なのは真実を隠す事じゃない、真実を公にする勇気です!」
『勇気?』
「貴方達は知っている。今だ姿を見せぬキングギドラの事を。その恐ろしさを。今こそその存在を皆に知らせなければならない、後からでは遅いんです!」
『だが・・・』
「それに私が考案したギドラ対策は、まだ世間には公表していません。貴方達を信頼しているからこそ、いち早く知らせようと思ったんです。沢山の人々を従える、貴方達だからこそ出来る事なんです!」
『・・・』
「私も貴方との約束を破る気はなかった。守りたかった。ですが、この事は私の理性で隠し通せる許容範囲を逸脱しています。今のままでは、この世界が無くなってしまうんです!
お願いします!どうか、公表して下さい!私の為じゃない、この地球の為に・・・!」



志真はそう言うと、深々と頭を下げた。
マルコは慌てて頭を上げるように促すが、志真は頭を上げない。
その様子を見て、マルコは自分が首を縦に振るまで志真が頭を上げる気は無いと悟った。



『・・・分かった。』
「マルコ大使・・・!」
『君の勝ちだ、ミスター志真。君のその熱意と勇敢さに過去から逃げず、真実を包み隠さないようにしようと思った。』
「あっ・・・ありがとうございます!!」



歓喜に満ちた表情で再び頭を下げる志真。
だがそれは先程とは違う、とても心地の良い光景だった。



『ミスター志真、頭を上げてくれ。もう頭を下げる必要は無い。』
「すみません、どうも嬉しくて・・・」
『しかしまだ話は早い。今度は君が話す番だ。』
「はい。では、お話しします・・・」
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