ゴジラ7‐来襲・宇宙超怪獣‐











翌日、廃墟と化した北京を中心に世界中の国々の都市が壊滅を迎えていた。
ブラジルのリオデジャネイロ、エジプトのカイロ、モンゴルのウランバートル、オーストラリアのメルボルン・・・まだ被害が及んでいない地域も少なくは無かったが、それも時間の問題だ。
今や宇宙生物は何処からか更に数を増やし、世界を覆うばかりの勢いで破壊を続けている。
シェルターや安全地帯に逃げ込み、細々と暮らす人々の間にも絶望しか無かった。



『なぁ、本当に世界は大丈夫なのか?』
『そんな事、言うもんじゃないよ!』
『だって奴ら、減るどころか増えてるみたいじゃん・・・』
『もう、世界は終わりなんだ・・・!』
『支配者顔して君臨してる人間も、所詮無力でしかないんだ。それを思い知るいい機会だったんだよ・・・』






その頃、ロシア・モスクワの日本大使館の前に志真の姿があった。
実は丹東にいたのは偶然暗雲騒動が起きていたので寄っただけであり、ここに来るのが本当の目的だった。
もちろん格好は丹東にいた時と違い、三枚に着込んだ服に手袋とマフラー、そしてジャンパーを着用している。
今は真冬、更に極寒の国・ロシアではこうでもしないとろくに外も歩けないのだ。



「はぁ、さみっ。これだけ着込んでも寒いって・・・しかし、いつ見ても日本大使館は無駄に大きいよな・・・」



と、その時志真の前に黒塗りのベンツが停まった。
光沢を放つ車体が、その高級感をかもし出す。
そしてドアを開けて現れたのは、ロシア代表にして親善大使・マルコだった。



『はじめまして、ミスター志真。待たせてしまって申し訳無い。』
「マルコ代表、私も貴方に会えて光栄です。」
『積もる話も何だ、早く中に入ろう。』



マルコに促され、志真は大使館内に入った。
中は比較的温かく、ジャンパーを脱いでも大丈夫だった。
すぐに受付員が現れ、2人を応接室まで案内する。



「ここまで来るのも、大変だったでしょう?」
『ああ。ありとあらゆる交通機関が停止し、国に帰るだけでも一苦労だったよ。』
「私もです。昨日宇宙生物が来襲した時、中国にいましたから。」
『ほう。それはまた不運な。』
「まぁ、私はこういった怪獣の相手にはもう慣れてますので。」
『ははっ、ミスター志真の噂はかねがね聞いているよ。確か「怪獣取材の専門家」だろう?』
「偶然と言うか必然と言うか・・・まぁ、そうですね。」
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