ゴジラ7‐来襲・宇宙超怪獣‐
キリキリキリリ・・・
キリキリキリリ・・・
ギャラララララ・・・
影の正体は、何百もの怪獣の集まりだった。
どれも三つの首と手の代わりに二つの翼を持っていたが、水色の体に首が細くてやや小柄な怪獣と、鉛色の体に翼が横へ長く尖った怪獣がいた。
どうやら水色の怪獣の方が圧倒的に多いようだ。
『りゅ、竜だ・・・』
『あんなの、テレビでも見た事が無いぜ・・・』
『竜は聖なる生き物。きっと、戦争を止めさせる為に戦闘機を阻止してくれたんだわ!』
『そうか?俺にはどうも聖なる生き物には見えないけどなぁ。』
――確かにそうだ。
嫌でもたくさんの怪獣を見て来た俺には分かる。
あの竜達に、神々しさは全く感じない!
するとその時、寄り集まっていた怪獣達が四方八方へと飛んで行ってしまった。
数十体の水色の怪獣と数体の鉛の怪獣はここに残ったが、その直後怪獣達は突如三つの首から光線を放ち、街を破壊し始めた。
水色の怪獣が放つ閃光の様な破壊光線と、鉛の怪獣が放つ槍の様な電圧光線は、すぐに街の姿を一変させた。
『に・・・逃げろ!!』
『うわああああっ!』
『やっぱり、奴らも侵略者だったんだぁ!!』
希望は絶望に代わり、何が起こったのか分からないまま人々は再び逃げ惑うしか無かった。
一方、ウォルヴィスベイの影もその正体を現していた。
『あ、あれは!』
『赤と緑の獣・・・』
ガァアアアアン・・・
ギィウウウウン・・・
こちらもまた三つの首を持った怪獣の集まりだったが、丹東の群れと違うのは四本の足がある事だった。
赤い体に太い首を持った怪獣と、黄緑の体に前足に鰭を付けた怪獣だ。
この群れもまた世界中へと散らばって行ったが、数体の赤い怪獣はここに残り、黄緑の怪獣は空ではなく海の中へと向かった。
ガァアアアアン・・・
残った赤の怪獣達は口から火流光線を吐き、辺りに炎を広げていく。
更に赤の怪獣が天に向かって吠えたと同時に、周辺のあらゆる木々から現れた緑色のオーラが赤の怪獣に寄り集まった。
オーラを出し尽した木々は直ぐ様枯れ果て、凄惨な光景が一面に広がる。
『木々が枯れた!?』
『いっ、一体どうなってんだ!』
『・・・きっとあの獣は、木々に宿る生命エネルギーを残らず吸い上げたのじゃ・・・!』
『それってすごくやばいじゃないか!このままだと、いつか世界中の緑が奴らに奪い取られちまう!』
『じゃが、非力なわし達にはどうする事もできん・・・!』
『ちくしょう!ちくしょう!』
人々の叫びも虚しく、生命エネルギーを吸い上げた赤の怪獣は炎の中で唸りを上げ、焼け野原と化した平野を進んで行った。