ゴジラ7‐来襲・宇宙超怪獣‐






翌日、今日も何の変わりも無く一日が始まると、誰しもが思っていた。
しかしゆっくりと、だが確実に異変は始まっていた。
それは何気無い、朝の番組からだった。



「あれ?おかしいな・・・」
「えっ!映って無いじゃん!」
「今日の天気は・・・曇りか。」
「これじゃあ天気がわからないじゃないか!」






同刻、世界中のテレビ局へ視聴者からの電話が殺到していた。
ただ、その内容はどれも「番組中の天気予報の衛星写真が映っていない」というものだった。
この事態に各テレビ局は他の局にも同じ事が起こっていないか聞いてみた。
だがその返答は電話が来た所もあれば全く無かったりと、局によってまちまちだった。



「そうそう、こちらでも・・・」
「何言ってるんですか?こちらでは何の異常もありませんよ?」
「困りましたね・・・あまりの多さに回線がパンクしそうですよ。」



一体何が起こったのかわからないまま数時間が過ぎたが、相変わらず電話は鳴り止まない。
局員が頭を抱える中、NASAから世界中へ緊急速報が入った。
それは何か巨大な物体が大気圏を突き抜けようとしているというもので、予測着地地点は北朝鮮・平壤郊外であるらしい。
最初は隕石かと思われていたが、人工衛星からの解析画像は別の物を写し出していた。



「これは・・・!」



隕石とは異なる銀の陰影、自然物とは思えない複雑な型。
誰しもがこれは人工衛星であるという結論に行き着いた。
しかも世界各国の天体望遠鏡から送られてくる画像の解析を進めるにつれ、この人工衛星はロシアの気象衛星「メテオ」である事がわかった。
つまり、衛星写真が映らなかった番組は全てこのメテオからの衛星写真を使っていた番組だったのだ。
各国の首相は会見を開き、ロシアに何故こんな事になったのか、何故もっと早くこの事を教えなかったのかを問い質したが、ロシアからの返事は無いまま、メテオは予測通り平壤郊外へ落下してしまった。






『なぁ、やっぱり大きくなってないか?』
『気のせいじゃない?』
『いや、どう見ても大きくなっている・・・』



同刻、ナミビア・ウォルヴィスベイでは新たな異変が観測されていた。
突然、空に黒く動めく何かの影が現れたのだ。
早朝、最初に現れた頃は小さな点の様な物であったが、今や太陽の光と同じくらいにまで巨大化していた。



『なっ?大きくなってるだろ?』
『確かに・・・』
『もしかして、何かの予兆なのか!?』
『おい、そんな事言うなよ!』
『でも、このまま収まるとはとても思えない・・・』





民衆が不安に包まれる中、北朝鮮はメテオの落下を自国に対する宣戦布告とみなし、ロシアへ戦闘の準備が出来たと声明を発表した。
そして、その緊急速報を自宅の居間で見つめる遥と佳奈他の姿があった。



「おばあちゃん、このまま戦争になっちゃうのかな・・・」
「嫌だねぇ、そんな事。第二次世界大戦を生きてきたあたしは分かる。戦争なんて、何も生まないよ。」
「うん。それでも、人々は争うんだね・・・」
「遥の子供、孫の時代にはこんな心配なんか、無くなってるといいんだけどねぇ。」
「大丈夫。きっと無くなってるって、私は信じてるわ。」
「おや、頼もしい。」
「えへへ。」
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