ゴジラ7‐来襲・宇宙超怪獣‐




『「R‐GⅢ」、目標に直撃!』
『や・・・やったぞ!』
『ブラボーーー!!』



隕石への直撃を確認したと同時に、観測員の間に歓声が上がった。
衝突の危険が去ったのもそうだが、この成功でようやく計画も軌道に乗ったからだ。
だが歓喜に包まれる中、ふと宇宙レーダーを見た1人の観測員の顔が突如青ざめ始めた。



『おい、どうしたそんなしけた面して!もっと喜べよ!』
『レ、レーダーを見てみろ・・・』
『んっ?もう隕石は撃破された筈・・・』



観測員の目に飛込んで来た光景。それは信じたくない光景だった。
レーダーにはまだ、隕石の陰影が観測されていたのだ。
それだけでは無い、あれほどの速度だった隕石が何故か大気圏外でぴたりと停止している。



『どうなってるんだ!隕石が爆破されずに、しかも停止するなんて!』
『そんなの、聞いた事が無いぞ・・・』
『ちょうど近くに観測衛星「ドン」が来てる。切り替えてみよう。』



観測員達の前にあるモニターの宇宙レーダー映像が一斉に人工衛星の映像へ切り替わった。
そしてその瞬間、観測員達は衝撃の光景を目の当たりにした。



・・・カァラララ・・・

・・・キィリリリ・・・



そう、そこにいたのは紛れも無い怪獣だった。
竜に似た頭と三つの長い首、二枝に分かれた尾、腕の代わりに大きな翼を持った黄金の怪獣。
と、その時画面中に雷の様な物が走り、そこで映像が途切れた。



『なっ・・・何だ!何が起こったんだ!』
『人工衛星が、破壊されている!?』
『おい!あの怪獣は一体何なんだよ!』
『・・・キングギドラだ・・・!!』
『えっ?』
『「宇宙超怪獣」と恐れられ、かつて地球にも来た、史上最悪の宇宙怪獣・・・!』





カァララララララ・・・

キィリリリリリリ・・・

カラララララ・・・



キングギドラと呼ばれたその怪獣は人工衛星を破壊し、大気圏外に留まっていたかと思うと、突如地球へと向かった。
大気圏突破の際起こる高熱をもろともせず、キングギドラは易々と大気圏を抜け、大平洋の大海原に出る。
隕石を纏っていた方が大気圏を抜けやすかったのは確かだが、キングギドラにとってさして問題では無かった。






大平洋の上を我がもの顔で飛ぶキングギドラだったが、やがてその六つの目に小さな島が見えてきた。
一見すると只の無人島ではあるが、キングギドラはこの島に自らの脅威となる強大な存在を本能で感じ取っていた。
しばらくして、島の砂浜に二つの影が現れた。
数ヵ月の冬眠から覚めたゴジラ、その後を不安げに着いてくるチャイルド・・・そう、ここは鍵島だ。



グルルルル・・・

ギュウウウン・・・



二体もまたこの島に迫るキングギドラを察知し、砂浜に出て来たというわけだ。
だがキングギドラはゴジラの姿を黙視した瞬間、何故か島に近付くのを止めて空中に留まり、ゴジラを睨んだ。
ゴジラもまた後ろで怯えるチャイルドを心配しつつ、キングギドラを睨み返す。
二体は暫しの間睨みあっていたが、それを裂く様に突如キングギドラの頭の角が金色に光り、雷が走った。
同時にゴジラの背鰭も青く輝き、口内に炎がたぎる。
そして二体は一斉に光線を発射した。



シュゴオオオオオオオ・・・

ザァアアアアアアアア・・・



ゴジラの熱線とキングギドラの「引力光線」は空中で激しくぶつかり合い、鍵島上空に大爆発を起こした。
その余波は凄まじく、島には猛烈な爆風が容赦無く吹きつけた。
チャイルドは必死にゴジラの足にしがみつき、ゴジラもチャイルドをかばいながらも何とか砂浜を踏みしめ、爆風に耐えた。
やがて爆風は収まったが、ゴジラが空を見上げるとキングギドラは既に何処かへと去っていた。
その行方を不信に思いつつ、ゴジラはチャイルドを連れて林に戻って行った。
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