ゴジラ6‐大魔獣日本襲撃‐




そしてそんな切也を遥は子を心配する母の様に優しく、抱きしめた。



「う・・・うっ・・・」
「大丈夫よ、切也君。泣きたい時に、泣けばいいの。」
「ううっ・・・僕、これから・・・どうすれば・・・」
「どうか強く、そして優しく生きて。死んでいった、人々の分まで・・・」
「うっ・・・わあああああああああああっ!!
ごめんなさぁぁぁぁぁぁい!!ごめんなさいっ・・・!ごめんなさい・・・!!」



切也は遥の胸で、ひたすらに号泣した。
今までずっと心の中に溜め込んでいた辛さ、寂しさ、悲しさ。
その全てを洗い流すかの様に。



「切也君・・・貴方なら、またやり直せる。貴方は泣きたい時に涙を流せる人に、優しい人になれたのだから・・・」



暗雲はすっかり晴れ、東の空から眩しいばかりの朝日が差し込んでいた。






その後、役目を終えた怪獣達は各々の所へ帰って行った。
バランは日本アルプスへ、モスラは小美人と共にインファント島へ、瞬は切也を安曇野市まで送り、続けて遥を京都へ送る為に西へ。






「じゃあ、行こうぜ!切也君!」
「・・・はい!」



しかし、志真とゴジラだけは切也と共に安曇野市に残っていた。



ディガアアアアアアオン・・・



「ゴジラに乗ってみたい」と言う、切也の・・・少年の小さな願いを、叶える為に。






第六章・完
42/42ページ
スキ