ゴジラ6‐大魔獣日本襲撃‐
暫しの沈黙が流れ・・・切也は静かに、こう言った。
――・・・アンギラス、もうやめよう。
と、同時にゴジラを押さえ込んでいたアンギラスの力が弱まった。
その隙にゴジラは全身を光らせ、バランとモスラが離れたのを見計らって放射波動を放った。
ギャウウウウン・・・
凄まじい波動の力に力が弱まったアンギラスはなすすべも無く後ろへ倒れ込んだ。
そこにモスラの光子ネットが追い打ちをかける。
「アンギラスの力が弱まった・・・もしかして!」
「妃羽菜、何とか説得できたみたいだな。」
――遥さん、貴女が気付かせてくれた。
真実と過ちから、逃げていた僕に。
本当の自分から、逃げていた僕に・・・
僕には・・・もう負の力は必要無い。
――切也君・・・!
――アンギラス、もう一度眠るんだ。
僕はもう、君に頼らなくても大丈夫だから・・・
切也の心に、ようやく光が差した。
アンギラスもまた地面に倒れたまま、全く動く気配は無い。
――どうしんだアンギラス、返事をしてよ。もう君は自由・・・
ギャエエエエ・・・!
その時、アンギラスの目が邪悪に光ったかと思うと、再び唸りを上げて動き始めた。
ギャエエエエエエン・・・
アンギラスは棘怪球となるとモスラに突撃し、モスラを墜落させた。
更にアンギラスは天地裂波をバランに放ち、バランをダウンさせる。
そして憎悪に満ちた瞳で、ゴジラを睨み付けた。
「な・・・なんで!?」
「何があった・・・?」
『アンギラスは大魔獣・・・自らの、この世界全てへの憎しみが治まるまで、その活動を止めません・・・アンギラスにとってあの少年は、只の力の糧でしか無いのでしょう・・・』
『少年も、その憎しみの記憶をアンギラスによって幾度となく掘り起され、憎しみを意図的に肥大化させられたのだと思います。遥さんがいなければ、今頃少年は・・・』
「正に『大魔獣』、操っていたのはアンギラスの方だったと言う訳か・・・だがまだ少年は捕らえられたまま、ゴジラは手出し出来ない・・・!」
「ふ・・・ざけんな・・・!」
「志真・・・」
「ふざけんなぁぁぁっ!切也君を返せぇ!!こんのやろぉぉぉぉぉっ!!」