ゴジラ6‐大魔獣日本襲撃‐




アンギラスは大地を踏みしめ、唸りを上げると三体へと走って行った。



グウィウウウウウン・・・



まずはバランがアンギラスへ向かった。
バランもまた四足で疾走し、アンギラスへ突っ込む。
しかし二体がぶつかり合う寸前にバランは皮膜を広げて空を飛び、アンギラスをかわした。
急停止し、突然空へ消えたバランを探すアンギラスだが、後ろに振り向いた瞬間空中のバランが撃った針千本を喰らう。
アンギラスは再び正面向きになると背中の棘を伸ばし、更に棘を複雑に伸び縮みさせて上手くバランを突こうとする。
だがバランは体を反らしたり、丸めたりしながら空を舞う様に棘をかわしていく。
そして棘をかわしたバランは体を丸めたままアンギラスへ向かったかと思うと、周りに光の輪を作り、満月輪をアンギラスに放つと共に後ろへ跳んで距離をとった。
光の輪は背中の甲羅に弾かれたが、砕けた光はアンギラスの視界を著しく阻んだ。



カクィオオオオウン・・・



アンギラスの視界が晴れ、隙が出来た時を突いて次はモスラがアンギラスへ向かった。
モスラは翼を広げて滑空飛行の体勢になり、そのままラリアットをアンギラスの首にお見舞いする。
この不意打ちに再び隙を見せるアンギラスにモスラは翼を羽ばたかせ、突風をアンギラスに浴びせた。
一万もの体重を持つアンギラスも、体のバランスを失ったこの状態で突風を浴びせられては流石に辛く、足はだんだん後ろへと下がる。
しかしアンギラスは力づくで四足の体勢に戻ると体を回転させ、砂嵐を起こした。
そしてモスラが羽ばたきを止めた瞬間、アンギラスは砂嵐を解除して素早く右前足をモスラへ向けそのまま爪を伸ばした。
だがモスラは瞬時に緑の光となって砕け散り、爪をかわす。
驚くアンギラスをよそに「フェアリー体」となったモスラはアンギラスに気付かれないままアンギラスの背後まで向かい、「ノーマル体」に戻ったと同時に両羽に付いた電磁鱗粉をアンギラスに浴びせる。



ギャウウウウン・・・



降りかかった瞬間に、凄まじい電撃でアンギラスの全身を攻撃するモスラの鱗粉は、確実にアンギラスへダメージを与えていた。
しかし、自らの鱗粉を浴びせるこの技はモスラにとっては諸刃の剣であり、使い過ぎると二度と飛べなくなるリスクを孕んでいる以上、迂濶には使えない。
なのでモスラはすぐ鱗粉攻撃を止め、アンギラスと距離を取った。
だがアンギラスは余程鱗粉攻撃が効いたのか、両足の爪を伸ばしてしつこくモスラに攻撃を仕掛け、再び向かってくるバランを察するや爪を戻して手を重ね、光を集めて天地裂波を放とうとした・・・が、それは背後から飛んで来た熱線に阻止された。
ゴジラの放射熱線だ。



ディガアアアアアアオン・・・



アンギラスはゴジラに標的を変え、後ろを向いてそのまま天地裂波を放つも、ゴジラのグランド・プレスとバランの岩流に相殺され、モスラの光子ネットに首元を絡め取られた拍子に中断してしまう。
三大怪獣の力は、アンギラスを圧倒していた。
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