ゴジラ6‐大魔獣日本襲撃‐
ディガアアアアアアオン・・・
ゴジラは志真を地面に降ろすと、咆吼を上げてアンギラスへと向かって行った。
空に鳴り響く雷鳴が、宿命の対決を演出する。
ギャエエエエエエン・・・
アンギラスもまた天へと唸りを上げ、ゴジラへと走って行く。
両者はぶつかり合い、そして取っ組み合いになった。
激突の際ゴジラは少し後ろへよろめいたが、すぐ体勢を立て直してアンギラスの首元を押し返す。
今度は両者五分五分だ。
アンギラスはゴジラの喉笛に噛み付こうとしたが、ゴジラは首を左に向けてかわし、アンギラスの頭に頭突きをする。
アンギラスが昏倒した隙にゴジラは更に力を込め、アンギラスを押し上げて行く。
だがアンギラスは後足で立ち上がり、前足でゴジラを跳ね退けた。
アンギラスはそのまま爪での攻撃に切り替えようとしたが、ゴジラは瞬時にアンギラスの腹を蹴り飛ばし、アンギラスを後退させた。
「よし!このままいけば、ゴジラの勝ちだ!」
アンギラスは前へ飛び上がって体を丸め、棘怪球に姿を変えた。
そして勢いを付けてゴジラへ突っ込み、暴龍怪球連弾を浴びせようとした・・・が、ゴジラはグランド・プレスでアンギラスを宙に浮かせ、そのまま尾を使ってアンギラスを左側へ吹っ飛ばした。
アンギラスはなすすべも無く左へ向かって飛んで行き、地面に追突した衝撃で棘怪球状態を解いてしまう。
ちなみにゴジラが左側へ飛ばしたのは、右側に志真がいるからである。
「おおっ、危ねぇ・・・もし奴が右側に飛んでたら、俺ただ事じゃなかっただろな・・・」
ゴジラは地面に倒れるアンギラスへ向かい、頭に付いた一際大きい紫色の中央の角を掴んだ・・・その刹那。
ゴジラの脳裏に、何かの映像が入り込んで来た。
ーー・・・なんで、だよ・・・!なんでなんだよ・・・ゴジラ・・・!!
半年前、理性を失いバランと闘う自分、その影響で建物に閉じ込められたであろう子供達、そして吹き飛んだ衝撃でその建物を破壊した自分と、それを恐怖の瞳で見つめる1人の少年・・・
グルルルル・・・
そう、これは切也の記憶だった。
アンギラスに取り込まれた切也はその後、アンギラスの角の中で果てしないゴジラへの憎悪からもたらされる負の力を与えつつ、アンギラスを操っていたのだ。
残酷な真実に動揺するゴジラの隙を突き、アンギラスは左足の爪を伸ばしてゴジラの右首筋を切る。
グアアアア・・・
不意を突いた一撃にゴジラはバランスを失い、後ろへ倒れかけた。
しかしアンギラスはすぐ後足で立つと右の爪も伸ばし、容赦無くゴジラに切り付けていく。
斬撃に耐えつつもゴジラは背びれを光らせ、熱線をアンギラスへ放った。
熱線でアンギラスが怯んだ隙にゴジラは距離を詰めて行くが、アンギラスは体を回転させ、砂嵐を起こした。
凄まじい砂の竜巻にゴジラはどんどん後退して行く。
熱線を放つも、砂嵐の壁に阻まれてアンギラスには届かない。
更にアンギラスは砂嵐を解くと前足を大地に叩き付け、天地裂波を放つ。
光の衝撃が地面を伝い、地割れと共にゴジラを吹き飛ばし、その体を地に付かせた。
ゴジラは弱々しく立ち上がろうとするも、その間にもアンギラスが迫って来る。
「ゴジラ、どうしたんだ・・・このままじゃまた負けちまうぞ・・・!」