ゴジラ6‐大魔獣日本襲撃‐







――三魔獣、やられちゃった・・・






――まぁいいや。僕のこの手でゴジラを倒さないと、意味が無いからね・・・







――・・・行くよ、アンギラス。






三魔獣が倒された、その直後。
愛知県・名古屋市の電波塔を、謎の棘が襲った。
アスファルトを突き破って現れたそれはビルを壊し、人々を空に舞い上げる。
何が起こったか分からない人々は恐怖に駆られ、街を逃げ惑う事しか出来なかった。
が、ここは都会。常に多くの人々が密集する所であり、ろくな避難誘導も無いこの状況で満足な避難ができるわけがなく、いつしか押し合いになっていく。
だがそんな人々をあざ笑うかの様に棘は引き、代わりに巨大な怪獣・・・いや、魔獣が姿を現した。
アンギラスだ。



ギャエエエエエエン・・・



邪悪なアンギラスの姿に人々の恐怖は更に掻き立てられ、自然と逃げる足を速めさせる。
しかしそれは余計に混雑を悪化させる事にしか繋がらかった。



「うわあっ!」



そんな最中、1人の少年が逃げ惑う大人達に押され、列から除け者にされた。
それと同時にアンギラスが壊した建物のコンクリートが降り、人々に覆い被さった。
あれほど騒がしかった少年の周りが、突如として静寂に包まれた。
更にそこへ地響きと共にアンギラスが迫る。
少年にとってはあまりにも巨大なその影は少年を圧倒し、身体の自由を奪う。
少年は必死に逃げようとするが、恐怖で足が全く動かない。



「は・・・うう・・・!こわい・・・こわいよぉ・・・!おかあさぁん・・・おとうさぁん・・・たすけ・・・て・・・!たすけ・・・!」



そして少年が見た最後の光景は、目の前に迫るアンギラスの足だった。






ギャエエエエエエン・・・



四つん這いの体勢に戻ったアンギラスは前へジャンプすると同時に体を丸め、自らを棘の球体と化した。
「暴龍怪球連弾」だ。
怪球は容赦無く街を、人を牽いて行き、悲痛な叫び声を掻き消す。
アンギラスが街を去った後、街は瓦礫と死体に溢れる地獄絵図となっていた。






「アンギラスが名古屋に!?」



名古屋の惨状は、直ぐ様デスクを通じて志真に伝えられた。



『ああ。奴が名古屋に現れたのは10分程前。その後も奴は通る街々を破壊して行っている。どこも悲惨な状況だ。』
「・・・まるで、三魔獣が倒されるのを待ってたみたいだ・・・」
『もしそれが本当なら、相当な知能犯だ。志真、くれぐれも気を付けるんだぞ。』
「分かりました。ではでは・・・」



志真は電話を切ると、すぐゴジラにこの事を伝え、再びゴジラの右手に乗った。
そして瞬と遥の携帯にアンギラス出現を伝えるメールを送った。
ゴジラは集合の地・関ヶ原へと歩を進めて行く。
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