ゴジラ6‐大魔獣日本襲撃‐







「モスラ!!」



同刻、徳島平野に遥の悲痛な声がこだました。
その翼にイーブルスの羽根ざ突き刺さるモスラを見て、危機を感じたのだ。
しかしその感情は悲哀に変わり、赤い光を放つペンダントを伝ってモスラに治癒のエネルギーとして与えられた。
モスラの体が灼熱に包まれ、翼に刺さった羽根を焼き尽くす。
そして全身の炎が消えた時、モスラは「ファイヤー体」となっていた。



カグィィィィオウン・・・



「よかった・・・」
『『遥さんの慈愛の力の賜物、ですね。』』



モスラは牽制とばかりにフレイム・シュートをイーブルスへ撃った。
軽々とイーブルスは火球をかわすが、その隙にモスラはイーブルスに急接近し、イーブルスに密着した。
凄まじい高熱にイーブルスは少々苦悶の表情を浮かべるも、すぐモスラから離れようと高速で上昇した。
だがモスラもまた高速で上昇し、イーブルスから離れない。
互いの速度は五分五分と言った所か。



ピャウウウ・・・



苦しみ紛れにイーブルスは左足でモスラの後翅を掴むと、右側へ向かって勢い良く振り回し、モスラを振り払った。
モスラを掴んだ左足からは煙が上がっている。
しかしイーブルスは怯まずバランスを失い、空中を回転するモスラに向かって矢の羽根を浴びせた・・・が、モスラは力強く羽ばたき、羽根をかわした。
そして全身を灼熱の炎に包み、モスラはファイヤー・ヒート・タックルを敢行した。






一方、バランとホーエンスが海底で攻めぎ合う最中、海面から二本の魚雷が飛んで来た。
しかし魚雷は二本共にホーエンスへ向かい、海底に再び爆発を起こした。
バランは魚雷でホーエンスが怯んだ隙を突き、その場で回転して背中の棘でホーエンスに切り付けた。
一旦後ろへと下がるホーエンス。
そして海面を見上げたバランに見えたもの、それは瞬が駆るむささびだった。



「手を出すな、か?だが、このままいつ終わるとも知らないジリ貧な戦いを、もう見てはいられなかったのでな?」


ーー・・・どうも、俺にも何処かの馬鹿のお節介気質が相当移った様だな。



口ではそう言うも、何ら悪びれる様子もなく瞬はレバーの右側面にあるスイッチを押した。
するとむささび下部が左右に裂け、そこから三発の魚雷が発射された。
魚雷を察知したホーエンスはその場から離れて行くが、追尾式の魚雷はホーエンスを逃がさず、直撃するまでホーエンスを追い続けた。
バランはその場で針千本を放つが、やはり途中で棘は静止してしまう。



「無理をするな。ここでの戦いはお前にとってあまりにもアウェーだ、俺1人加わろうと誰も文句は言わん。」



そう言うと瞬はむささびを駆り、果敢にホーエンスへ向かって行った。
ショットガンで上手く間合いを取り、魚雷でホーエンスにダメージを与えていく。
ホーエンスにとっては一撃一撃こそ微々たる物だが、何十回にも渡ると流石に負担にはなる。
反撃とばかりに放たれる振動波もサテライト・スラスターを使いこなし、難無くかわす瞬。
29/42ページ
スキ