ゴジラ6‐大魔獣日本襲撃‐
一方、大津市近郊では既にゴジラとウルフォスの戦いが始まっていた。
ウォオオオオオン・・・
ウルフォスは後足を地に付け、辺りを圧倒する様に天高く吠える。
だがゴジラは警戒を止めず、ウルフォスを睨み付ける。
と、その時ウルフォスは後足をバネにして跳び上がり、その体勢のままゴジラに体当たりした。
強固な体から繰り出される衝撃は意図も容易くゴジラを怯ませ、地面に叩き付かせる。
ゴジラの上に乗った状態になったウルフォスは更にゴジラに噛み付こうとしたが、ゴジラは僅かの所でウルフォスの口を両手で止めた。
ゴジラはそのまま力を入れ、ウルフォスの口を閉じようとする。
しかしウルフォスは両足を使って後ろへ跳び、ゴジラの手を振り払った。
そしてウルフォスは勢いを留めたままゴジラに突っ込むと、ぶつかる直前に後足でジャンプし、タックルブレイクを浴びせた。
ゴジラは後ろによろめいたものの、何とか踏み留まった。
だがウルフォスはすぐさま体勢を立て直し、再びゴジラに突撃した。
グアアアア・・・
二度目の突撃はゴジラを再び地面に付かせた。
堅い一撃一撃にダメージが蓄積されながらもゴジラは何とか前屈みに持ち直すが、ウルフォスはゴジラを挑発する様にゴジラの周りを走り続ける。
あんな屈強な体を持っているとは思えない位の素早さだ。
「くそっ、何て早さだ!こりゃ、ゴジラにとってかなり不利だぞ・・・」
しかし、徳島平野上空では更に素早い戦いが繰り広げられていた。
モスラと剛禽・イーブルスの戦いはもう始まっていたのだ。
モスラによって地上に降ろされていた遥と小美人は静かに戦いを見守っていたが、ただ戦いを黙視する事しか出来ないでいた。
「速い・・・だけどそれ以上にあの魔獣、とても力が強い・・・」
『『「剛禽」のイーブルス、力と速さを兼ね備えた強敵です・・・』』
そう、先程からイーブルスはモスラを上回る速さでモスラを翻弄し、空中で急停止しモスラの翼を両足で受け止め、放り投げるという戦法を取っていた。
モスラもまた高速で飛んでいるはずなのだが、イーブルスの両足はいとも簡単にモスラを受け止めてしまう。
そして今もまた、モスラがイーブルスによって放り投げられた。
空中で回転し、体勢を乱されたモスラにイーブルスは尾を突き出し鋭い羽根「フェザー・アロー」を飛ばす。
羽根は弓から放たれた矢の様にモスラへと向かうが、モスラはすんでの所で体勢を立て直し、羽根をかわした。
モスラは反撃とばかりに口から光子ネットを出してイーブルスを絡め取ろうとした。
だがイーブルスは光の糸を器用に避け、矢の羽根で糸を切り裂いていく。
ピャアアアアアン・・・
更にイーブルスは糸を退けると、そこからモスラへ向かってフェザー・アローを浴びせた。
複数放たれたその羽根は、モスラの翼に突き刺さった。