ゴジラ6‐大魔獣日本襲撃‐
一方、遥・モスラ組は徳島県に上陸していた。
今はと言うと、徳島平野の上空を飛んでいる所だ。
「大きい平野・・・どこまでも広がっていそう・・・ねぇ、モス・・・」
すると遥が言い終わる前に突如、ペンダントが白く点滅した。
まるで何かを警告する様に。
「えっ、どうしたの・・・・・・きゃあっ!」
と、モスラがいきなり上斜めへと飛翔した。
突然訪れた凄まじい衝撃に、遥は全身をモスラの頭の体毛に押し込まれる。
だがその刹那を、鋭い銀の羽根が飛んで行く。
「・・・はぁ、びっくりした・・・」
モスラの柔らかい体毛に助けられ、遥は安堵の表情を浮かべるが、すぐにそういう時では無いと知る。
ピャアアアアアン・・・
「・・・魔獣。」
同刻、志真・ゴジラ組は大津市近郊を進んでいた。
少し遠くには琵琶湖のほとりも見える。
「ここが琵琶湖か・・・ほんと、湖にしちゃ馬鹿でかいなぁ・・・」
その時、辺りに大きな地響きが起こった。
途切れ途切れに起こるそれは巨大な生物がこちらに向かって走ってくる様な、そんな感じだ。
同時にゴジラも志真を地面に降ろすと右側に向き、警戒体勢を取る。
「お出ましか・・・!」
地響きは止まり、志真とゴジラの前には岩狼・ウルフォスが唸りを上げてこちらを睨んでいた。
ウォオオオオオン・・・
更に瞬・バラン組は富山県・黒部ダムまで来ていた。
ちょうどホーエンスはダムの手前まで迫っていたが、その先は日本一を誇るダムの壁だ。
ズゥグゥゥゥゥゥ・・・
ーーやはり、黒部ダムに行き着いたか。
分かってはいた事だが、ダムの存在を教えればバランが来てくれない可能性があったからな・・・騙した形になったのは、申し訳ないが。
「・・・どちらにしろ、奴にはここで引き返して貰う。」
瞬は操縦レバーの裏に付いたスイッチを押した。
すると前翼の発射口からショットガンが連続発射された。
それと同時にバランがホーエンスに向かう。
弾は全弾ホーエンスに当たり、ホーエンスを少し怯ませた。
その隙にバランがホーエンスの前に立ち塞がり、そのままホーエンスを受け止めた。
しかし流石は重鯨、計り知れないその体重をバランが支えるのは辛く、少々押され気味だ。
――あの図体を支えるのは、やや厳しいか。
ゴジラやモスラはまだ互角なフィールドを与えられているが、バランは水中戦に特化しているわけでは無いからな・・・
「・・・まぁ、そんなバランをサポートする為に俺は、むささびはいる。」
瞬は慌てずにレバーの上に付いたスイッチを押した。
今度はむささび上部にある棘の発射口から爆雷が飛び出し、真っ直ぐホーエンスへ向かった。
爆雷はホーエンスに直撃し、ホーエンスの背中で爆発を起こす。
さしものホーエンスもダメージを受けた様だが、更にバランはそこを突いて針千本を放った。
棘は傷口をえぐる様にホーエンスの背中に当たり、ホーエンスを更に追い詰める。
ズゥゴォォォ・・・
連撃により、ホーエンスの力が弱まった。
バランはここぞとばかりに力を込め、ホーエンスを押し返した。
川の流れもバランに味方し、ホーエンスはどんどん川を逆流して行った。