ゴジラ6‐大魔獣日本襲撃‐











それから数時間が経ち、日も空を昇りきった頃、関ヶ原では相変わらず大勢の取材陣が二体の到着を待っていた。
反対側の林にいる瞬達も、ひっそりと待機している。



「もう夕方になりますね・・・」
「そうだな。ところで妃羽菜、本当にバランは来そうだったか?」
「まだ分かりません。ですが、バランなら来てくれると私は信じています・・・」
『『・・・来ました。』』



小美人の言葉と同時に関ヶ原に二重の地響きが起こった。
複数の巨大生物が歩いて来る様な、そんな感じだ。



「さて、もうすぐ正午を回ろうとしていますが、ゴジラとバランは果たして来るのか・・・うおおっと!この重なり合う地響きはもしや・・・?」



ディガアアアアアアオン・・・



グウィウウウウウン・・・



「ついに来ました!東の野原からは黒き大怪獣ゴジラが、西の林からは猛る山の神バランが、その雄姿を見せました!
皆さん見て下さい!日本三大怪獣が、今ここに集結致しました!一体これからどうなるのか、見物です!」



グルルルル・・・

グァウウウウ・・・



ゴジラとバランは顔を合わせるや否や、互いに低く唸りながら威嚇しあう。
やはりまだ、完全に仲が修繕されたわけではないらしい。
そこにすかさずモスラが仲裁に入る。



カクィオオオオウン・・・



モスラはゴジラとバランに争いに来てもらったわけでは無く、話をする為に来てもらった事を話した。
二体は了承すると近くにある小山に腰掛け、話を聞く体勢に入った。





その頃、志真の乗る取材ヘリは取材陣と反対の方向にある、瞬達がいる林の前に着陸していた。
志真は最初から記者達に混ざるつもりは無く、瞬達と落ち合う約束をしていたのだ。



「ここまでありがとうございました。では、私はここで。」



再び飛び立って行く取材ヘリを見送った志真はリュックから地図を取り出し、林を平地沿いに走って行った。
地図を頼りに走る内に、大きめな岩の前に立つ瞬と遥が見えてきた。



「おっ、いたいた。おーい!待たせたなー!」



志真は手を振りながら駆け足で瞬達と合流した。
岩の上の小美人も志真に軽く会釈する。



「よっ、遥ちゃん。久しぶり。小美人さんも。瞬は・・・一応昨日会ったからいいか。」
「志真さん、お久しぶりです。」
『『どうも、志真さん。』』
「ようやく来たか。」
「ごめん、ちょっと妨害があって遅れた・・・」
「『『魔獣、ですね。』』
「俺達はここで待機していた都合で見てはいないが、お前はその目で見ているはずだ。」
「数時間前、小美人さんがゴジラに邪悪な存在が迫っていると言っていました。なのでもしかしたら、と思いまして。」
「・・・ああ。確かに俺は見た。ゴジラも全く敵わないくらい凄まじい力を持った、禍々しい怪獣を。あいつは・・・」
『『志真さんの考えている通りです。貴方が見た、その魔獣の名は・・・暴龍・アンギラス。』』



その一言に3人は胸を貫かれる様な衝撃を感じた。
特に志真は今まで自分が考えていた最悪の仮定が当たってしまった事に深い恐怖すら覚えていた。



――暴龍は激しい憎悪に呼応して覚醒し、その時に陸・海・空の三魔獣も一気に目覚めさせる。
三魔獣はほぼ同時に出現してた、つまり・・・
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