ゴジラ6‐大魔獣日本襲撃‐







「俺の意識を飛ばす!?」



その頃、いつの間にか瞬に頭を掴まれた志真はそう叫んでいた。



『騒ぐな。もう別に驚く事でもあるまい。』
「いや、確かにそうだけどさ、そんな事出来るのか?」
『今俺の意思がこうしてお前の元にいるのは、俺が頭の中でお前の事を強くイメージし、それに妖精が力を加えてお前の元に飛ばしているからだ。その力を俺を媒体にして、お前に与える。』
「えっと・・・もっと簡単に説明してくれ。」
『とりあえずお前は、ゴジラの事を強くイメージすればいいんだ。直に行くよりも遥かに効率がいい。』
「お、おう・・・なんとなくわかったぞ。」
『ただ、イメージする際は雑念を一切考えるな。ゴジラの事だけを頭に強くイメージしろ。そうしないと失敗してしまう上に、力の受け皿をお前に譲る以上、もう俺はお前の元には来れなくなる。』
「・・・つまり、一回きりって事か?」
『そうだ。これは失敗の許さない、一度きりの賭け。』
「・・・俺はやる。こうしてる間にもたくさんの人が苦しんでるんだ。俺は俺にできる事をやるだけだ。」
『それでこそお前だ。なら早速・・・』
「いや、最後に言っておきたい事がある。」
『何だ、早く言え。』
「お前・・・何だかんだいってこういうオカルト系、好きなんだろ?」
『うるさい。聞こうと思った俺が馬鹿だった。』
「でもさっき色々話してた時のお前、意外とイキイキしてたけどな。」



瞬はすぐさま下を向くが、その顔はまんざらでも無い表情だった。
それを見抜きつつ志真を静かに目を瞑り、イメージの準備をする。



「まぁそんなかりかりすんなって。乳酸菌摂ってるか?」
『さっぱり意味がわからんが、始めるぞ。』
「はいよ・・・」



頭の中で、ゴジラの事を強くイメージする志真。
瞬もまた目を瞑り、志真に力を与えるイメージをする。
そう、全てはイメージによって行われるのだ。
少しの静寂の後、屋上に緑の閃光が走った。
そして閃光が収まった後に残されたのは、意思が抜けた志真の身体だけだった。
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