ゴジラ6‐大魔獣日本襲撃‐




「それで俺達の用事だが、これは俺達の国・日本直々の頼みでもある。今、日本に陸・海・空の三怪獣が突如出現し、破壊の限りを尽している。そこでもう一度、モスラの力を貸して欲しい。」
「お願いします。私達の故郷が、危機なんです・・・」
『・・・実は私達もその三体の怪獣・・・いえ、四魔獣の覚醒は察知していました。』
「四魔獣?」
「まだもう一体、怪獣がいると言うのか?」
『『はい。』』
『約1500年前、日本は四体の魔の力を持った獣に襲撃されました。』
『陸の岩狼、海の重鯨、空の剛禽、そして三体を統べる暴龍。』
「暴龍・・・」
「あの三体には、統率者がいたのか・・・」
『魔獣達は破壊の限りを尽しましたが、古代文明の力を使う賢者達により「魔獣像」の下にずっと封印されていました。』
『しかし今、その封印が1人の少年の激しい憎しみによって解けてしまったのです・・・』
「少年の・・・憎しみ・・・」
『もちろんモスラは力をお貸ししますが、今モスラは大地の力を蓄える為、隣の小島で眠りに付いています。』
『それにモスラの力だけでは、魔獣達を倒せません。同程度の力を持った、あと二体の怪獣・・・』
『『ゴジラと、バランの力が必要なのです。』』
「ゴジラと・・・」
「バランの力を?」
『はい。三体の力を合わせれば、きっと魔獣達にも打ち勝てます。』
「・・・難しいな。ゴジラとバランは爬虫類寄りの生物。生態こそ詳しく分かっていないが、冬期に近いこの寒さでは冬眠に入っている可能性がある。」
「それにゴジラもバランも、協力してくれるでしょうか・・・ゴジラはチャイルドの事が気に掛かるでしょうし、バランはついこの前まで人間を憎んでいました。まだ、人間の事を完全に信用していないかもしれません・・・」
『『そうですか・・・しかし、モスラだけではとても魔獣達には・・・』』



ゴジラ、モスラ、バラン。
三体の怪獣が一堂に会し、力を合わせる。実現が困難である事は予想していた事のであろうが、やはり小美人は落胆の色を隠せない。
しかし、瞬と遥の表情は決して悲観的なものではなかった。



「いや、やる前から諦めるのは良くない。僅かにでも希望があるのなら、まずは実行してみるべきだ。」
「私も賛成です。ゴジラもバランも、もしかすれば力を貸してくれるかもしれません。」
『『ありがとうございます。では早速・・・』』



すると小美人は両手を空へと掲げ、それと同時に瞬と遥の足元に光の紋章が走った。



「なっ・・・!?」
「これは・・・?」
『私達の力を使って、貴方達の意識を遠い所へ飛ばします。』
『瞬さんは志真さんの元へ、遥さんはバランの元へ・・・』
14/42ページ
スキ