ゴジラ6‐大魔獣日本襲撃‐
翌日、新聞の1面を飾ったのは不可解な地震と、三体の謎の怪獣・・・三魔獣の件だった。
そしてその下の写真には、三魔獣によって壊滅させられた自衛隊陸海空三部隊の凄惨な姿があった。
「鯨・狼・鷲の三体の怪獣、か・・・」
そんな最中、志真は日東新聞本社にて独自に調査を進めていた。
「確かに不可解な事件だよな・・・怪獣の三体同時出現、しかも出現場所はバラバラ・・・と。」
しかし、志真の顔には確信の笑顔が浮かんでいる。
――まぁ、この天才志真さんにはおみとうしだけどな・・・・・・いや「天才」は嘘だけど。
無駄な雑念を考えつつ志真は「護国聖獣伝記」と書かれた古びた本を開く。
素早くページを捲り、真ん中辺りに差し掛かった所で手を止める。
そこには「大和魔獣伝説」という話が書いてあった。
「約1500年前、今の日本・・・大和に四体の魔の力を秘めた獣が襲撃して来た。
岩狼ウルフォス、剛禽イーブルス、重鯨ホーエンス・・・そして暴龍アンギラス。
四大魔獣は大和の地を蹂躙し、業火で覆い尽した。この危機に人々は四人の賢者に最後の希望を託した。賢者は1万年もの大古から伝わる奥儀を使い、魔獣達を地の底に封じ、その地に二度と魔獣達が蘇らない様『魔獣像』を置いた・・・」
――この伝説に登場する魔獣と、昨日出現した怪獣が似てる。
怪獣の出現場所も、魔獣像があると噂される場所だし・・・
けど、これの立証には一つだけ問題があるんだよな・・・
眉を歪め、志真は更にページを捲る。
「伝記には確かに暴龍アンギラスが覚醒した時、残り三体の魔獣が蘇ると書いてあるのに、その肝心のアンギラスが何故かまだ出現してない・・・」
志真は本を閉じ、本棚にしまうと横に置いていたバックを背負った。
そしてデスク・日下の机にメモを置くと、部屋を出ていった。
『ちょっくら、長野の安曇野に行ってきます。
出来れば理由は聞かずに、帰って来るまでそっとしておいて下さい。
志真』