ゴジラ5・5‐チャイルドの一日‐
ヌゥバアアアアア・・・
一方、西乃島ではゴジラが苦戦していた。
足を絞め上げるラゴネークがなかなか離れないのだ。
「スッポンの様に離れない」とはまさにこの事、それだけ苦しみも長くなる。
グルルルル・・・
この状態が続けば、いくら頑丈なゴジラの体も、骨まで砕かれてしまう。
早く何とかしなければならない。
しかしその瞼はだんだんと閉じられていく・・・
ギュオオオオン・・・
だが頭に響いたチャイルドの声は、すぐその瞳を開かせた。
ゴジラの全身に青い閃光が走り、唸りと共に放射波動が放たれた。
ヌゥグウウウン・・・
凄まじい波動に足を離し、吹き飛ばされるラゴネーク。
更にゴジラは今までの恨みを返す様に地面で倒れるラゴネークに尾の洗礼を浴びせる。
ラゴネークは口から煙幕を出そうとするが、絶え間無い尾の一撃はそれを許さない。
焦ったラゴネークはゴジラの尾を真剣白刃取りの如く受け止め、再び海へ引きずろうとした。
が、ゴジラは引きずられる前に素早く体を回転させ、ラゴネークを振り払った。
そしてゴジラは回転を付けたまま熱線を放った。
シュゴオオオオオオオ・・・
放たれた熱線は回転による遠心力が加わった影響で若干威力を増し、僅かな螺旋を描いてラゴネークへ向かい、そのままラゴネークの腹を真っ直ぐ貫いた。
ヌゥガアアアアン・・・
断末魔の悲鳴を上げ、熱線の勢いで沖まで後退して行ったラゴネークは空中で大爆発を起こした。
ゴジラは勝利の雄叫びを上げると、海へと去っていった。