ゴジラ5・5‐チャイルドの一日‐
ある日の朝。
ここ火山諸島の孤島、鍵島から話は始まる・・・
ギュオオオオン・・・
鍵島に広がる林の中を、チャイルドの大きな大きな目覚めの声が響いた。
二体は林のちょうど中央付近にある開けた所をいつも寝床にしているのだ。
だが、隣のゴジラはまだ起きる気配は無い。
チャイルドはゴジラを起こさない様にゆっくりと起き上がり、辺りをきょろきょろすると、林の中へ入って行った。
林の中に入ったチャイルドは自分の背丈程の木を探し、その木に生っている赤い果実を食べた。
この林には様々な果実が原生しており、チャイルドは目を覚ますといつも食べに来るのだ。
ギュウウウン?
するとその時、チャイルドの目が一つの大きな木に止まった。
木の枝には今まで食べた事の無い、青い果実が生っている。
木に近寄ったチャイルドはまず手を伸ばしてみるが、とても届く距離では無い。
次に木に体当たりしてみるも、太い幹はびくともしない。
チャイルドは意を決すると、大木にしがみ付き体全体を使って大木を揺すり始めた。
さしもの大木も、少しずつ左右へ傾き始める。
それによって枝葉が勢いよく揺れ、枝に生る果実を揺する。
そして揺れに耐えかね、果実が地面へ落ちた。
チャイルドはすぐ手を離そうとするが、手を離す前になんと大木がチャイルドの体重に耐えられず、根本から折れてしまった。
チャイルドは大木ごと地面に落下し、大木の下敷になってしまう。
果実も地面に叩き付けられ、無惨にも大半が潰れていた。
ギュウウウン・・・
なんとか大木から抜け出したチャイルドは残った無事な果実を掴み、口の中へ入れた。
食べた直後は満足な顔をするチャイルドだったが、回りの光景を見た後はやはり困惑していた。