ゴジラ5‐バランの復讐‐




するとモスラの後翅の模様から黄色い光が瞬き、地上のチャイルドに降り注いだ。
光を浴びたチャイルドの体は、瞬く間に空へと上昇して行く。
そして丁度モスラの前にまで上がって来たその時、突如チャイルドの体が巨大化し始めた。



「チャイルドの体が、大きくなっていく・・・」
「まるで、チャイルドの光の屈折を変えたみたいだな・・・」
「習った事があります。確か生き物は目から光を出して、その光を物と屈折させて前方の物を識別しているんですよね。」
「そしてモスラは光の向きを変えたんだ。チャイルドがちゃんとゴジラにも見える様に・・・」



ギュオオオオン・・・



我を失った親へ、必死に呼び掛けるチャイルド。
街の何処からでも分かる程に眩く、大きなチャイルドの虚像はゴジラにもはっきりと見えた。
地上のブリザードバランの事をも忘れ、空のモスラを撃墜させる事しか頭になかったゴジラだったが、チャイルドを一目見たその瞳にはもう、憎しみは宿っていなかった。



ギュオ・・・ギュオオン・・・?



再びチャイルドはゴジラに優しく呼び掛ける。
するとゴジラの全身からみるみる内に力が抜けていき、同時に凄まじい煙と共に灼熱の体が溶け出していく。



ゴォガアアアアアアオウン・・・



そして元の縮尺に戻ったチャイルドが地面に降り立った時、ゴジラはいつもの姿で地面に倒れ込んでいた。
しかしその顔は苦しみから解放された、穏やかな顔をしていた。



「よかった・・・ゴジラが元に戻った・・・」
「もう、それだけゴジラの中でチャイルドは大きな存在になったんだな。」
「チャイルドが生まれて来た理由の一つ・・・ですね。」
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