ゴジラ5‐バランの復讐‐
翌日、新聞の見出しはバランの東京襲撃で溢れ返っていた。
「帰ってきた悪魔!バラン東京を襲う!」
「バラン急襲 死傷者多数」
「東京国際空港壊滅 各地渋滞続出」
「自衛隊、バラン徹底駆逐宣言を表明 今日にも行動に」
そんな中、志真は源を静岡県・湖西へ送り帰していた。
「やはり、バランは東京へ・・・」
「はい・・・」
「ですが、これでバランの怒りが収まるとは思えません。また近い内、今度は東京の真ん中に現れますな・・・」
「とにかく、この事件は私に任せて下さい。必ず真実を世間に公表してみせます。」
「それはありがたい。では、任せましたよ。」
「ではでは。」
志真は源の元を去ると日東新聞本社へと帰るため駅へと向かい、東京行きの新幹線に乗った。
「さて、早く本社へ帰らないとな・・・」
その時、志真の携帯がバイブ音を出しながら揺れた。
携帯のサブディスプレイで相手を確かめると、電話の相手はデスクからだった。
志真はすぐにトイレへ向かい、電話に出る。
「はい、もしもし・・・」
「志真、お前に報告だ。先程、駿河湾にゴジラが現れたそうだ!」
「なっ、何ですって!」
「奴はまだ特別破壊活動を行っていないが、昨日の事件の事もある。早急に向かってくれ!」
「分かりました!」
志真は電話を切ると丁度到着した沼津市で新幹線を降り、全力で走り始めた。
――・・・嫌な予感がする。
何だか、ゴジラをこのまま行かせたらいけない気がする・・・!
その一方、ゴジラは田子ノ浦浜に上陸すると、真っ直ぐ富士の方向へと向かって行った。
咆吼を上げ、全てを威圧しながらゴジラは歩を進める。
ディガアアアアアアオン・・・
大地を揺らし、ゆっくりとだが確実にゴジラは遥か彼方にそびえ立つ山を目指していた。
それ以外のものなど、まるで見えていない様に。