ゴジラ5‐バランの復讐‐
群れの駆逐を確認した自衛隊本部は、神奈川に待機している隊員達に連絡を入れた。
「こちら本部、防衛部隊応答せよ。」
しかし、本部からの呼び掛けに部隊からの応答はない。
何度呼びかけても返事は来ず、これを不審に思った本部は調査の為、近くの駐屯地に所属する別の部隊を神奈川に派遣した。
「部隊が行方を眩ますとは、何があったのでしょうか・・・?」
「分からない。だが、私は嫌な予感がしてならない・・・」
数時間後、部隊は現場に到着したが、そこで彼らは驚きの光景を目の当たりにした。
「こ、これは・・・」
そこに広がっていたのは、海岸線上に広がる大破した戦車の大群だった。
どの戦車も破壊されており、無事な戦車は一つも無い。
「部隊が、壊滅している・・・!」
「確かにメガギラスとメガニューラの群れは小笠原諸島で退却した筈です・・・こんな事が起こるわけが!」
「確かにそうだが、これは何か・・・さしずめ巨大な獣から攻撃を受けたとしか思えない惨状だ・・・」
「た、隊長ー!!」
その時、手に何かを持った1人の隊員が部隊長に駆け寄って来た。
隊員が持っていたのは、戦車の中にあったとおぼしき無線だ。
「どうした。」
「こ、これを・・・!」
「・・・無線か。よし、再生してみよう。」
隊長は隊員から無線を受け取り、再生を始めた。
そしてそこに入っていた音声は、その場に居合わせた誰もが驚愕せずにいられなかった。
『ばっ、馬鹿な!なぜ、何故奴がここに!
これは早く本部に連絡しなければ!
本部!応答ねがい・・・
グウィウウ・・・』
「・・・ここで切れているな。」
「確かに、これは何者かの攻撃を受けていますね・・・」
「隊長、最後に何か怪獣の咆哮の様な物が聞こえませんでしたか?」
「分からん・・・だが、証拠はこれしか残っていない以上、ひとまず今はこれを持ち帰ろう。」