ゴジラ5‐バランの復讐‐




ゴジラは今度こそメガニューラ達を殲滅しようと再び背鰭を光らせたが、そこにメガギラスが迫って来た。
メガギラスは怯む様子もなく、ゴジラの腹に尻の針を突き刺した。



グアアアア・・・



痛みに苦しみつつ、至近距離で熱線を放とうとしたゴジラだったが、何故か熱線は不発に終わった。
そう、メガギラスが尻の針「エナジー・ピアーズ」からゴジラのエネルギーを吸収していたのだ。
急いで針を抜いたゴジラだが、ゴジラのエネルギーを吸い取り力が増したメガギラスの鎌の攻撃を受けた。
少しふらついたゴジラをメガギラスは鎌でゴジラの首を絞める。



ギィキィィィィン・・・



だが、ゴジラは力を込めてメガギラスの鎌を振り払うと、振り向いて尾をぶつけようとした。
しかしメガギラスはすぐにゴジラの尾をかわすと、ゴジラの周囲を超高速で旋回する。
すかさず熱線を放つゴジラだが、目にも止まらぬ速さで飛ぶメガギラスには全く当たらない。
更にメガギラスは空中に陣取ると翅を高速で擦り合わせ、不協和音の高周波「ドラゴン・シンフォニー」をゴジラに浴びせた。
凄まじい高周波にゴジラは目を瞑り、頭を抱える。



グルルルルル・・・



ギィキィィィィン・・・



メガギラスは振動を止め、針を立てながら隙だらけのゴジラへと迫る。
しかしゴジラは目を見開き、メガギラスが針を刺す寸前に背中の鰭を突き立て、メガギラスを切り付けた。
メガギラスは動きを止めてゴジラの方を見たが、その瞬間に尻の針が切断された。



ギィギュウウ・・・



一瞬の出来事に、後ろへ後ずさりするメガギラス。
その隙を突き、すかさずゴジラは熱線をメガギラスへ放った。
熱線はメガギラスに直撃し、メガギラスは空中で完全に焼き尽された。



キィキュウ・・・

キィキュウ・・・



群れのボスを失い、それまで警戒していたメガニューラ達は島を去る。
だが、去り際にゴジラの熱線を見舞ったメガニューラの群れはもう数える程しかいない。



ギュオオオオン・・・



すると、今まで林に隠れていたチャイルドが勢い良く林から飛び出し、泣きそうになりながらゴジラの足にしがみついた。
チャイルドはずっとメガギラス達が林の中に来ないか、不安だったのだ。
そんなチャイルドの頭をゴジラは撫で、不安を取り除く。
ゴジラの優しさにすっかり不安がなくなったチャイルドはゴジラから離れると、背びれを白く光らせ熱線を放とうとした。



ポスッ・・・



しかしチャイルドの口から出たのは、ただの煙の塊だった。
熱線が出せずに落ち込むチャイルドだったが、その一方でゴジラは静かに空を見上げていた。
何か、予兆を感じるかの様に・・・






数時間後、メガニューラの群れは再びパプアニューギニアのジャングルへ戻って来ていた。
しかし、ジャングルには先にコマンドー部隊が待ち構えていた。



『隊長、トンボ野郎が来ました!』
『これはさっきのお返しだ・・・撃て!』



部隊は一斉にメガニューラ達に向けてライフルを撃った。
数の少ないメガニューラなどもはや部隊の敵ではなく、ライフルは続々とメガニューラを撃墜して行く。
そして迷彩模様の戦車がその火を吹き、メガニューラの群れは大爆発を起こして駆逐された。



キィキュウ・・・

キィキュウ・・・

キィキュウ・・・



『メガニューラ・・・全滅!』
『よ・・・しゃあ!』
『うおぉぉぉぉっ!!』
『やった!やったぞぉ!』



隊員達も勝利の喜びを高らかに叫び、分かち合う。
前回の闘いで志半ばにして命を奪われた、仲間達の弔い合戦でもあった今回の闘いに勝利する事は、どんな闘いに勝利する事よりも特別であったのだ。
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