ゴジラ5‐バランの復讐‐







そんな最中、北海道・函館市の黒沼博物館に志真の姿があった。
ここは主に恐竜の化石を展示している所であり、珍しい恐竜の化石が見付かったとの事で館長の黒沼博士に呼ばれていたのだ。



「やあ、来てくれたか。」
「光栄です。恐竜研究において、世界的な権威である黒沼博士にお会いできるとは・・・」
「ありがとう。それで私が見つけた化石はこっちだ。来てくれたまえ。」



黒沼博士は志真を展示室へ案内する。
その道中にも様々な化石が展示されており、志真の目は右往左往している。



「すっ、凄い!アロサウルスの骨格にディプロドプスの頭蓋骨、ステゴサウルスの鰭にトリケラトプスの全身骨格・・・」
「皆は私の功績だと言っているが、私としては実際に発掘作業をした研究員達に拍手をあげて欲しい所だがな。」
「同感です。確かに化石の発掘には途方も無い時間と根気が必要ですし。」
「・・・君、志真君と言ったかな?やけに恐竜に詳しい様だが?」
「はい、私は昔から恐竜や化石に興味がありまして、もちろん博士の活動も兼ね知っておりました。」
「それは嬉しいな。君を呼んだ甲斐があったと言うものだ・・・さて、着いたぞ。」



2人は展示室の隅にある「侵入禁止」と書かれた扉の前に着いた。



「この中だ。遠慮せず入りたまえ。」
「はい。それでは、失礼します・・・」



志真は扉を開き、部屋の中に入った。
中は少々薄暗く、あまり人が入っていないからかそこら中に埃が溜っている。



「博士、何もありませんが・・・?」
「ここだ。」



黒沼博士は扉の近くにあったスイッチを入れた。
すると部屋の奥を照らす様にいくつものライトが点灯し、何かを照らし出した。



「こ、これは・・・」



ライトが照らしたのは何十mもある大きな岩で、中央には何かの恐竜の完全骨格が埋まっている。
丸まった形で埋まっているその恐竜は尾が長く、背中に縦を成す複数の棘を持った未知の恐竜だ。
しかし、志真には何故かこの恐竜に見覚えがあった。



「君には分かるはずだ。この恐竜が何なのか。」
「見違える筈がありません。これはバラノポーダ・・・バランです。」



そう、この恐竜こそ後にバランとなる中生代の恐竜、バラノポーダであった。
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