ゴジラ5‐バランの復讐‐
それから半世紀過ぎ、2010年・6月。
パプアニューギニアのジャングルに突如ヤゴに似た姿をした古代昆虫・メガヌロンが大量発生した。
この事態を重くみたパプワニューギニア政府は、ジャングルにコマンドー部隊を派遣した。
『ったく、虫の分際で偉そうにしやがって・・・』
『ほんとだぜ。空中から虫除けスプレーを散布してやりてぇよ。』
『無駄口を叩くな。もうジャングルに着くぞ。』
『・・・お、おい・・・これって・・・』
キィキュキュキュキュ・・・
キィキュキュキュキュ・・・
キィキュキュキュキュ・・・
部隊の誰もが唖然としたのも無理は無い。
メガヌロンの数はジャングルを覆う程に多く、その様子はまさに圧巻だった。
『・・・ふざけんなって・・・!』
『怯むな!俺達は何度も死線を乗り越えてきた、こんな奴等に怖じけ付くんじゃない!』
『『『イ、イエッサー!』』』
部隊は一斉にライフルを連射し、メガヌロンに攻撃を仕掛ける。
しかし多勢に無勢、メガヌロンの群れに部隊の射撃は全く通用しない。
キィキュキュキュキュ・・・
キィキュキュキュキュ・・・
キィキュキュキュキュ・・・
部隊に気付いたメガヌロン達は銃撃をも跳ね返す勢いで部隊に迫って行く。
部隊は必死に対抗するも、鉄をも切り裂くメガヌロンの爪に続々と隊員は倒されていった。
『うわぁぁ!』
『ぐわあっ・・・!』
『ばわっ!』
するとメガヌロンは部隊を尻目に原生林に登ったかと思うと、その背中からトンボの様な成虫体・メガニューラが現れた。
キィィィィキュ・・・
キィィィィキュ・・・
キィィィィキュ・・・
続々とジャングルを飛び立っていくメガニューラの群れを残った隊員達が撃ち落として行くが、数があまりに多く、きりが無い。
『くそっ!全然効いてねぇ!』
『他の仲間も奴らにやられた、もうオレ達しかいないぞ!』
更にその時、ジャングル中を揺るがす凄まじい地震が起こり、それと同時にジャングル中央の地面が盛り上がって行った。
『地震だ!伏せろ!』
すかさず部隊は一斉に地面に伏せ、地震の振動に耐える。
すると隆起した地点から土を巻き上げ、巨大な怪獣が出現した。
ギィキィィィィン・・・
鋭い鎌の形をした二本の前足に、凶悪な目。
巨大な蜻蛉の様な姿をしているが、何処か龍を彷彿させる体付きだ。
『超翔竜・メガギラス・・・!』
『おっ、親玉のお出ましかよ・・・』
メガギラスは腕を振り上げ、超高速でジャングルを飛び立っていった。
メガギラスが向かったのは、メガニューラが飛んで行った方向だ。
『これはまずい・・・すぐ本部に連絡だ!』
この知らせは軍本部を介し、真っ先に日本へと伝えられた。
このままだとメガギラスとメガニューラの群れは確実に日本列島へ直撃するからだ。
連絡を受けた自衛隊本部はすぐに群れが最初に上陸すると思われる神奈川県・三浦半島に緊急防衛線を張った。