ゴジラ5‐バランの復讐‐







1958年・東京。
立ち上る爆煙と破壊され尽くした廃虚の中を、突如凄まじい爆発音と怪獣バランの悲鳴が響き渡った。



グガァァァァン・・・



山奥の湖より現れたバランに為す術の無かった自衛隊はバランが光る物を飲む習性がある事に着目し、照明弾にダイナマイトの20倍もの威力がある特殊火薬と時限爆弾を付け、戦闘機から投下してバランの体内で爆発させたのだ。
全身を襲う激しい苦痛に耐えながら最後の力を振り絞り、バランは東京湾を目指す。
今まで安全な場所からバランの動向を見ていた自衛隊員や野次馬達も、続々とバランの後を追う。



グァ・・・ウウウ・・・



しばらくしてバランは東京湾に到着し、海の中へその身を寄せた。
しかし時既に遅し、バランの体内にあったもう一つの特殊火薬が作動し、大爆発を起こした。
爆発の勢いで東京湾の水面が激しく波打ち、東京が奇妙な静寂に包まれる中、もはや再起不能に陥ったバランは深い海の底へと沈んで行く。
その瞳に、復讐を抱きながら・・・





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