ゴジラ4‐守護神の祈り‐







一方、馬路市でまたもや磁場の乱れが発生していた。
しかも今回は以前よりも激しく、強い乱れだ。
もちろん街の人々の携帯や店に置かれている電器製品もその影響を受け、電波不通や誤作動が続々と起こった。



「あれ、電話が・・・」
「みてみて~、電気屋さんのテレビが変だよ~。」
「おいおい、これから好きな曲が来るってのによ・・・!」





街が混乱に陥る中、更に郊外の発電所辺りから地震が発生した。
ここは丁度、電波の乱れが最も激しい所だ。



「じっ、地震だ!」
「地面に伏せろっ!」
「うおっ・・・!」



発電所の職員達は急いで地面に伏せた。
しかし地震は勢いを増していき、発電所の外の地面からは巨大な鋏の様なものが出現した。



「・・・何だ、さっきの音は?」
「外で何か、巨大な物が出てきたような・・・」



そして地面が土を撒き散らしながら隆起し、鋏を持った巨大な生物がその姿を表した。



ギィィィィィオン・・・



現れたのは黒い甲殻の体に四本の手を持った鍬形虫に似た怪獣・スタンガであった。



「聞いたか、あの声はまさか・・・」
「かっ・・・怪獣だ!」



スタンガは発電所に近付くと尾の先端を発電所に差し込み、発電所の電気を吸収し始めた。
その影響で、発電所内は停電を起こす。



「次は停電・・・」
「一体ここで、何が起こっているんだ・・・!」



スタンガによって発電所の電気はどんどん吸収されていき、数分も経たぬ内に発電所の電気は残らず吸収された。
更にスタンガが発電所から尾を抜いた拍子に建物の壁が壊れ、中の職員達の姿が露わになる。



「うっ・・・!」



職員達を確認したスタンガは憎たらしい表情を浮かべると、尾を発電所に叩き付けた。
発電所は大破し、職員達は悲痛な声と共に爆発に消えた。



ギィィィィィオン・・・



スタンガは背後に振り向き、頭の鋏を広げると高圧の電流「サンダー・スパーク」を放った。
電流は民家や店を破壊していき、辺りを瓦礫だらけにする。
それでもなおスタンガは街を蹂躙しようと、街の中心へ進んで行く。
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