ゴジラ4‐守護神の祈り‐




チャイルドがゴジラの近くで止まった直後、倒れていたモスラが飛び上がった。
そしてモスラは赤い光に包まれ、「ファイヤー」体に姿を変えた。



カグィィィィオウン・・・



「こっ、今度は蛾みたいになったぞ!?」
「あれはモスラ『ファイヤー』体です!」
「いかにも『戦闘形態』って感じだな・・・」



モスラは腹から火球「フレイム・シュート」を発射した。
火球は容赦無くゴジラを襲うが、ゴジラは怯まず背びれを青く光らせる。
そしてモスラがもう一発火球を発射した瞬間、ゴジラは口から熱線を放った。



シュゴオオオオオオオ・・・



熱線は真っ直ぐ火球へ向かい、火球とぶつかりあった。
更に熱線は火球をも押し返し、モスラに直撃した。



「うおっ・・・!」
「きゃあ!」



ギュアウウウ・・・



巻き起こる爆風に、2人とチャイルドも地面に伏せる。
やがて爆風はおさまり、爆煙の中からモスラが現れた。
しかしゴジラの熱線が直撃したにも関わらず、大して弱った様子は無い。



「ゴジラの熱線が効いてない・・・」
「高温の体を持つファイヤー体に、ゴジラの熱線は効果が少ないのかもしれません・・・」



想定外の光景に、ゴジラは一瞬怯みを見せる。
だが、モスラは高温の羽ばたき「レッド・ウィンディ」を使い、さらにゴジラにたたみかける。
熱風と火の粉がゴジラにダメージを与え、ゴジラは身動きがとれない。



だが、モスラの熱風は周りの木々を焼いていき、森に火事を起こしていった。



「やばい、火事になってきた!」
「ここから、早く逃げましょう!」
「分かってる。けどチャイルドも一緒に逃がさないと!」
「ですが、チャイルドが私達の言うことを聞くかどうか・・・」
「確かにそれが一番の・・・はっ!遥ちゃん、そのペンダントを使って直接チャイルドの頭に言い聞かせられるか?」
「チャイルドが聞いてくれるかは分かりませんが・・・やってみます!」



遥は目をつぶり、ペンダントを握った。
ペンダントが白く光り、チャイルドの頭に遥の言葉を伝える。



――・・・お願い、チャイルド。
ここは危険なの。私達と一緒に逃げて・・・!





一方、モスラは今だ猛攻を続けていたが、地上でうずくまるチャイルドに気付いた。
モスラは一旦攻撃を止めてゴジラに近付き、ゴジラの背びれを掴んだかと思うと、ゴジラを持ち上げ始めた。
ゴジラは抵抗するもモスラはゴジラを離さず、そのままゴジラを何処かへ連れて行く。



「・・・通じました。チャイルドは一緒に逃げてくれるみたいです。」
「そりゃよかった・・・ところで、モスラはゴジラを掴んでどこへ行く気なんだ?」
「・・・どうやら、近くにある湖に連れて行くみたいです。」
「湖?ここの近くにそんな所が・・・」



志真はリュックから地図を取り出し、付近の湖を確認する。



「えっと・・・」
「どうですか?」
「・・・あった!でも湖じゃない、ダムだ!」
「ダム?」
「ほら、ここだ。」



志真は地図の一部分を指差した。
そこには森の中に立てられた、人口の貯水場があった。



「魚梁瀬、ダム・・・」
「この辺りで巨大な水の溜り場と言えば、ここしか無い。」
「なのでしたら、モスラは水中戦に持ち込む気かもしれません。」
「水中戦?ゴジラはともかく、蝶みたいなモスラに出来るのか?」
「はい。モスラにはあと一つ、水の力を宿した「アクア」体が存在します。どうやら水中戦が得意な形態らしく・・・」
「なっ、何だって!?」


――ほんと、モスラって何でもありだなぁ・・・
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