「じゃあ、行こっか！」

「どこに？」

弥生から何度も聞いた孫の伊織。

『あの子の持つ呪力は私以上だわ。
でも、呪霊も見えない息子の元ではいざと言う時に身を守る術すら学べない…
息子は見えないから、呪術の事は何も教えてないのよ。でも伊織は違う、きちんと学ばなくてはいけないの』

『もし伊織が高専に行くことになったら可愛がってあげてくださいね』

本当は自分で育てたかっただろう。

本当は息子のように呪術界とは関わりなく普通の女の子として生きて欲しかっただろう。
あの人の言葉からはいつもそれが
感じられた。

『それとね、五条さん。あの子のこと出来ればでいいから…』

「呪術高専、僕の職場だよ」



『愛してあげて、あの子は私一人の愛しか知らないから』

弥生さんの望む愛では無いかもしれないけど。
弥生さんの分まで僕が彼女の事を愛すよ。