それから始まった生活は今までとは全く違うものだった。
ちなみに学校は転校した、というかさせられた。

「だって僕の家から前の学校に通うのはいくらなんでも無理でしょ？」

「まあ、別に友達もいないし別にいいんだけど」

「それより伊織、今日お出かけしようか。学校が終わったら迎えに行くからね」

「うん、分かった」

「じゃ、僕行くから。学校、頑張っておいで」

「ありがと。悟も頑張って」

一緒に暮らし始めてから、悟さんや五条さんと呼ぶと拗ねるので悟と呼ぶようにした。
軽く頭を撫でてから「行ってきます」という悟を見送り自分も学校に行く準備をする。

悟と過ごす時間は楽しいし心地いい。
まだたったの2ヶ月だけど祖母が信頼していると言っていたのは間違いでは無いのだろうと思っている。
でも、学校で過ごす時間は嫌い。
冷静に考えれば私はいつも一人でまともな人付き合いなんてしてこなかった。
そんな私が新しい学校に馴染むのは無理だった。

今日も一人音楽を聴きながら長い時間をやり過ごす。
ああ、タバコが吸いたい。