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誘われて揺蕩う恋に惑う君

 鳥みたいな小さな手の体温を感じているよ、明日が来るまで

 生き生きと死んでる君の一部分くるしみさえもあかるく照らす

 お手紙でいびつな文字があそんでる無邪気な君のこえが聴こえる

 裏庭で河川敷で三叉路で君はささやく聖歌と知らずに

 抱えてはいけない想いを風にのせそれでも最後は拾ってしまう

 梅雨の窓「まだ降るね」って空を見るうしろ姿でもう嬉しそう

 朝。ふたりきりの時間は穏やかに過ぎ去っていく食器の音で

 背伸びして届かないなと思ったら屈んでくれる知ってるんだよ

 幸せを三面図から設計しあなたの赤で手直しします

 読み聞かせ息をひそめて聴いている君の横顔ほっぺのふくらみ

 大空に羽根を広げてしまうのを恐れてずっと抱きしめている

 裏庭でたばこを口に持っていく反対の手にはきれいな石

 きらきらと笑い声を上げる君が脱ぎ捨てたしあわせを裏返す

 寒がりのあなたにあげる体温を分けるよろこび孤独で知った

 ふきげんなブルーグレーのおおかみがぼくのひざではおだやかなひと

「好きなんだ」まつ毛が濡れて鮮やかなステンドグラスが瞬くとき

 一枚の布で隔てたその先に愛があるのかわからないけど

「おでかけをしようよ」君の手には汗まばゆい夏が乱反射して

 不滅とは言い難いけどそんな目で見つめられたら永遠とわに生きたい

 薄青の瞳が熱で溶けた日に僕のからだも溶けて流れた
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