未変換の場合、寿(ことぶき)命(みこと)になります。
1.「はじまったロク」
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壽 命
年齢:15
個性:「思考実現」(※国家指定個性)
始まった―――相澤消太は椅子の背もたれに体重を預け天井を仰いだ。ちょうど後ろを通りかかったプレゼント・マイクがビクリと跳ねてどうかしたのか聞いてくる。相澤は、なんでもないと適当に答えた。
目薬をさし、姿勢を戻すと再び壽命のプロフィールに目を通す。何ひとつ変わっていない。あの時と全く同じだった。
相澤は、詰まっていた息を短く吐いて目を閉じる。そうすると勝手に脳裏に投影される記憶があった。
それは、壽命の死に際だった。
相澤の記憶に残された彼女は、プロフィールの証明写真に緊張した面持ちで写る中学を卒業したばかりの少女の姿ではない。すっかり大人の顔つきになった女性の姿だった。その壽がひどく苦しみもがいている。相澤は生存本能により激痛を忘れさせようと薄れていく意識のなか、その痛々しい姿を見ていることしかできなかった。壽がこちらに手を伸ばし涙を流しながら何かを呟き絶命したのを最後に意識は途切れる。そして、目を覚ませば無傷の状態で職員室の自分の席に座って机の上に置いてある壽のプロフィールを眺めていた。
相澤は喉の奥がカッと熱くなるのを感じ、後から後から込み上げてくるものを耐えようと拳を強く握った。今回で6度目のことだ。
「なんだなんだ、ヒーローに似つかわしくない負のオーラ全開だな」そういうマイクを相澤は適当に相槌を打ってあしらう。そうすれば、マイクは向こうで13号に「相変わらずつれねーの」と愚痴をこぼしている。
相澤はズキズキと痛む右目に手をあてた。目元に傷はない。しかし、この先できる傷がそこにはあった。
壽のプロフィールをファイルに閉じて机の片隅に置き、立ち上がる。すかさず「どこ行くんだ?」とマイク。今日はやたらと気にしている。相澤は、6度目ともなればその負のオーラというのを抑えるのもしんどくなってくると思いつつ「入学式」とだけ答えて職員室を出た。
そう、今日は全ての始まり、壽命の雄英高校入学式だ。
年齢:15
個性:「思考実現」(※国家指定個性)
始まった―――相澤消太は椅子の背もたれに体重を預け天井を仰いだ。ちょうど後ろを通りかかったプレゼント・マイクがビクリと跳ねてどうかしたのか聞いてくる。相澤は、なんでもないと適当に答えた。
目薬をさし、姿勢を戻すと再び壽命のプロフィールに目を通す。何ひとつ変わっていない。あの時と全く同じだった。
相澤は、詰まっていた息を短く吐いて目を閉じる。そうすると勝手に脳裏に投影される記憶があった。
それは、壽命の死に際だった。
相澤の記憶に残された彼女は、プロフィールの証明写真に緊張した面持ちで写る中学を卒業したばかりの少女の姿ではない。すっかり大人の顔つきになった女性の姿だった。その壽がひどく苦しみもがいている。相澤は生存本能により激痛を忘れさせようと薄れていく意識のなか、その痛々しい姿を見ていることしかできなかった。壽がこちらに手を伸ばし涙を流しながら何かを呟き絶命したのを最後に意識は途切れる。そして、目を覚ませば無傷の状態で職員室の自分の席に座って机の上に置いてある壽のプロフィールを眺めていた。
相澤は喉の奥がカッと熱くなるのを感じ、後から後から込み上げてくるものを耐えようと拳を強く握った。今回で6度目のことだ。
「なんだなんだ、ヒーローに似つかわしくない負のオーラ全開だな」そういうマイクを相澤は適当に相槌を打ってあしらう。そうすれば、マイクは向こうで13号に「相変わらずつれねーの」と愚痴をこぼしている。
相澤はズキズキと痛む右目に手をあてた。目元に傷はない。しかし、この先できる傷がそこにはあった。
壽のプロフィールをファイルに閉じて机の片隅に置き、立ち上がる。すかさず「どこ行くんだ?」とマイク。今日はやたらと気にしている。相澤は、6度目ともなればその負のオーラというのを抑えるのもしんどくなってくると思いつつ「入学式」とだけ答えて職員室を出た。
そう、今日は全ての始まり、壽命の雄英高校入学式だ。