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あたしは2年生の秋からバレー部のマネージャーを始めた。
北くんから持ちかけられたのがきっかけ。
「なあ、試合前でええから男バレのマネージャー臨時でやってくれへん?」
「え、あたしが?」
「そや。先輩マネおらんなってからしんどくなってな」
「それ他の女の子じゃあかんの」
「...バレー以外のこと気になり出すと思うて。宮兄弟の面倒も含めてお前にしか頼めん」
「そっかぁ...ま、北くんの頼みだしするよ。バイトのシフト次第やけどね」
ちなみに北くんとは3年間クラスが変わらない。1年生の時から席替えでは前後左右斜め、だいたい近くに居る北くんとは、無駄話をするくらいには仲が良かった。彼はノート整理が綺麗だからあたしが寝た授業は見せてもらったし、先生に当てられた時に助けてもらうこともしばしば。日頃から助けてくれるので、彼の頼みを断るのは失礼だろう。
当時飲食店のバイトを週4くらいでやっていたが、あの日からシフトが入ってない日はバレー部に顔を出すようにした。一度3年の元マネージャーの人に仕事を教えて貰ってからは、バリバリにこなしている。
試合前後にシフトを減らすようになると、女将さんが「『歌音ちゃんおらんなったら心配やわぁ』って言ってた」って店長から聞いた時は申し訳なくなった。
拝啓女将さん、どうか青春を優先してしまうことをお許しください。
☆☆☆
「あ、北くんおはよう」
「はよ」
3年になって1回目の席替えで、北くんはあたしの後ろの席になった。最早離れた方が驚く。
「何書いとるん」
「日誌」
そう言いながら、彼は日直の書く欄にすらすらとペンを走らせていた。あたしは箇条書き2行くらいで済ますのに、北くんはほんと凄いなぁ。絵に書いたような真面目だ。
「歌音〜はよー」
JKカバンを引っさげた女生徒、彼女も3年間クラスが同じでいつも一緒にいるミカちん。とっても可愛いが、中身はサバサバの超適当人間だ。
「さすが北くん真面目やなぁ。私いつも1、2行しか書かんのに」
「ねえ、あたしも同じこと考えてたんだけど」
「あははっ、伊達に3年間隣におる訳やないで。トイレ着いて来て」
「おん」
ミカちんと並んで歩く朝の廊下。3年目ともなると私が右側でミカちんが左側でないと落ち着かない。
「眉毛描く時間なかったわ〜」「え〜私も」
「ねえ聞いてユウくんがなぁ」「また惚気ー?」
そうだった、この女には彼氏がいる。確か1個下。
トイレへの道中、男子バレー部数人に挨拶されるので「やっほ〜」と通り過ぎれば、ミカちんは不思議そうな顔をしていた。
「バレー部イケメンばっかりやん。歌音は彼氏作らへんの?」
「ん〜、忙しいしあんまり考えたことなかった」
「北くんとか赤木くんカッコイイやん。大耳くんも背高いしアランくんは面白いし」
「バレー部詳しいな」
「あったり前や。話すし」
「そっか。ミカちんは男友達も多かったわ」
「忘れんといてな」
ミカちんは男女問わず交友関係が広いのだ。
そういえば、入学当初から稲荷崎高校の中でもバレー部がイケメン揃いだという噂はあった。特にスタメンのキャラが濃いと。
「2年なら銀くんも良いけど角名くんが推しやな」
「塩顔好きやねぇ、そう言えばユウくんもやん」
「あ〜よう言われる。向○理が理想やから」
アイブロウを借りて鏡の前で丁寧に描いていると、隣から珍しく真面目な視線が送られてきた。
「やっぱ1番人気なのは宮ツインズやから、歌音気をつけなよ」
「...おん」
まつ毛を上げ始めたミカちんと鏡越しに目が合う。
正直なところ、今まで嫌がらせが無かった訳では無い。しかしその時はミカちんが隣にいてくれたから怖く無かったし、これからも2人でいれば安全だと思っている。
「女は嫉妬に狂ったら何するか分からん。歌音も知っとるやろ」
「うん。気を付けとく」
「アンタは危機感ないから心配や」
「無いことあらへんよ、この前ボール避けたし」
「...はあ」
北くんから持ちかけられたのがきっかけ。
「なあ、試合前でええから男バレのマネージャー臨時でやってくれへん?」
「え、あたしが?」
「そや。先輩マネおらんなってからしんどくなってな」
「それ他の女の子じゃあかんの」
「...バレー以外のこと気になり出すと思うて。宮兄弟の面倒も含めてお前にしか頼めん」
「そっかぁ...ま、北くんの頼みだしするよ。バイトのシフト次第やけどね」
ちなみに北くんとは3年間クラスが変わらない。1年生の時から席替えでは前後左右斜め、だいたい近くに居る北くんとは、無駄話をするくらいには仲が良かった。彼はノート整理が綺麗だからあたしが寝た授業は見せてもらったし、先生に当てられた時に助けてもらうこともしばしば。日頃から助けてくれるので、彼の頼みを断るのは失礼だろう。
当時飲食店のバイトを週4くらいでやっていたが、あの日からシフトが入ってない日はバレー部に顔を出すようにした。一度3年の元マネージャーの人に仕事を教えて貰ってからは、バリバリにこなしている。
試合前後にシフトを減らすようになると、女将さんが「『歌音ちゃんおらんなったら心配やわぁ』って言ってた」って店長から聞いた時は申し訳なくなった。
拝啓女将さん、どうか青春を優先してしまうことをお許しください。
☆☆☆
「あ、北くんおはよう」
「はよ」
3年になって1回目の席替えで、北くんはあたしの後ろの席になった。最早離れた方が驚く。
「何書いとるん」
「日誌」
そう言いながら、彼は日直の書く欄にすらすらとペンを走らせていた。あたしは箇条書き2行くらいで済ますのに、北くんはほんと凄いなぁ。絵に書いたような真面目だ。
「歌音〜はよー」
JKカバンを引っさげた女生徒、彼女も3年間クラスが同じでいつも一緒にいるミカちん。とっても可愛いが、中身はサバサバの超適当人間だ。
「さすが北くん真面目やなぁ。私いつも1、2行しか書かんのに」
「ねえ、あたしも同じこと考えてたんだけど」
「あははっ、伊達に3年間隣におる訳やないで。トイレ着いて来て」
「おん」
ミカちんと並んで歩く朝の廊下。3年目ともなると私が右側でミカちんが左側でないと落ち着かない。
「眉毛描く時間なかったわ〜」「え〜私も」
「ねえ聞いてユウくんがなぁ」「また惚気ー?」
そうだった、この女には彼氏がいる。確か1個下。
トイレへの道中、男子バレー部数人に挨拶されるので「やっほ〜」と通り過ぎれば、ミカちんは不思議そうな顔をしていた。
「バレー部イケメンばっかりやん。歌音は彼氏作らへんの?」
「ん〜、忙しいしあんまり考えたことなかった」
「北くんとか赤木くんカッコイイやん。大耳くんも背高いしアランくんは面白いし」
「バレー部詳しいな」
「あったり前や。話すし」
「そっか。ミカちんは男友達も多かったわ」
「忘れんといてな」
ミカちんは男女問わず交友関係が広いのだ。
そういえば、入学当初から稲荷崎高校の中でもバレー部がイケメン揃いだという噂はあった。特にスタメンのキャラが濃いと。
「2年なら銀くんも良いけど角名くんが推しやな」
「塩顔好きやねぇ、そう言えばユウくんもやん」
「あ〜よう言われる。向○理が理想やから」
アイブロウを借りて鏡の前で丁寧に描いていると、隣から珍しく真面目な視線が送られてきた。
「やっぱ1番人気なのは宮ツインズやから、歌音気をつけなよ」
「...おん」
まつ毛を上げ始めたミカちんと鏡越しに目が合う。
正直なところ、今まで嫌がらせが無かった訳では無い。しかしその時はミカちんが隣にいてくれたから怖く無かったし、これからも2人でいれば安全だと思っている。
「女は嫉妬に狂ったら何するか分からん。歌音も知っとるやろ」
「うん。気を付けとく」
「アンタは危機感ないから心配や」
「無いことあらへんよ、この前ボール避けたし」
「...はあ」