呪術廻戦
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東京のはずれにある少年院。
任務は、いずれ特級呪霊に成り得る呪胎とともに取り残された生存者の確認と救出。伊地知さんがタブレットを見ながらそう告げた。
五条先生は別の任務でいないし私達が派遣されるのも仕方ない。呪術業界は常に人手が足りていないらしいし。
だが特級になりかねない呪胎相手だと、それはお前らは死んでもいいって言われているようなもの。思わずため息が漏れる。
「業界は人手不足のため手に余る任務を請け負うこともあります。今回は緊急で異常事態のため絶対に戦わないこと。君たちの任務はあくまで生存者の確認と救出です」
建物に入って数分後、案の定呪胎は特級に成った。
「伏黒!歌音を連れて逃げろ!」
特級呪霊が動き出した。
虎杖くんがそう叫んだけど、彼1人で足止めをするなんて無茶すぎる。
地面に吸い込まれて行方が分からない野薔薇を恵ちゃんが探すぞ、と私の腕を引っ張って走り出した。
「虎杖くんが心配だよ、私だけでも戻る!」
「駄目だ!」
スパッと私の発言を切り捨てた恵ちゃんは玉犬の白を仕舞って鵺を呼び出した。
ドン、ドカンと遠くから振動が響いてくる。きっと虎杖くんが特級呪霊と戦っているんだ。
やがて行き止まりにぶつかったが、彼が体当たりすると壁が普通に開いた。あ野薔薇がいる!
「お前の顔覚えたからな...」
されるがままに吊るされた野薔薇を助けるべく、幸い下は水が張っていたので辺り一面に呪力を流し込んだ。
操れる水の量は多い、だが重たい。
「っ、水狼藉ィ!」
形にした水の重さを腕に感じながら、印を結ぶ。ザバリと大きく口を開けた巨大な狼の首が、野薔薇を持ち上げる呪霊を喰らった。水だって流れがあれば殺傷能力抜群。鋭く長い牙が体に刺さった呪霊はあっという間に蒸発した。
投げ出された野薔薇は恵ちゃんがカエルでキャッチしてくれたのでノープロブレム。
「...カエル苦手なんスけど」
「文句言うな」
「野薔薇怪我してるね、大丈夫?痛くない?」
「歌音... ...好き」
「ありがとう私もだよ」
「続きは高専に帰ってからやれ、行くぞ」
カエルの中で目を閉じた野薔薇、ため息をついて私の方を見る恵ちゃん。
やっぱりずっと心に引っかかるから立ち止まった。
「私、虎杖くんのところ行ってくる」
「ダメだ!虎杖は両面宿儺と入れ替わってるかもしれねえんだぞ!」
「大丈夫、私は多分殺されないから」
「は?お前何言って、」
そこまで言って恵ちゃんはグッと飲み込んだ。
ギリギリと歯を食いしばっている。なんだかんだ言って恵ちゃんは優しい。
「野薔薇をよろしく!」
「...必ず戻ってこいよ」
☆☆☆
元来た道を戻っているうちに玉犬の遠吠えが聞こえた。虎杖くんとの合図だから、宿儺が復活しているはず。
近くの柱の陰で息を整えているうちに、宿儺の声が聞こえてきた。でも遠いから何を喋っているのかは分からない。
宿儺が生きてるってことは虎杖くんも無事なのだろう。本当によかった。
愉快そうな声が聞こえて間もなく、コンクリートの床がガラガラと崩れていった。
浮遊感、落ちてる。やばいやばい、下が思ったより高い。
「ムリムリ!うわああ!?」
瓦礫が上から降ってくる。これ死ぬかも、とぎゅっと目をつむると、フワッと嗅いだことのある香りが鼻を掠めた。
「小僧が心配になって駆けてきたか?ケヒヒ」
目を開けると、案の定宿儺に拾われていた。
ちょっと遠いところに居たはずなんだけどなぁ、ワープできるチート私も欲しい。
「ご、ごめうぎゃっ」
ぽいっと投げられて変な体勢で受身をとる。危うく舌を噛む所だったぞ。
「おい、コレに指1本でも触れたら殺すからな」
特級呪霊は分かりやすく震え上がり、「オオォオ!?」と謎の奇声を発した。
それ以降は無理矢理私を見ないようにしている気がする。
呪霊に知能がある分、何故か申し訳なくなってきた。
任務は、いずれ特級呪霊に成り得る呪胎とともに取り残された生存者の確認と救出。伊地知さんがタブレットを見ながらそう告げた。
五条先生は別の任務でいないし私達が派遣されるのも仕方ない。呪術業界は常に人手が足りていないらしいし。
だが特級になりかねない呪胎相手だと、それはお前らは死んでもいいって言われているようなもの。思わずため息が漏れる。
「業界は人手不足のため手に余る任務を請け負うこともあります。今回は緊急で異常事態のため絶対に戦わないこと。君たちの任務はあくまで生存者の確認と救出です」
建物に入って数分後、案の定呪胎は特級に成った。
「伏黒!歌音を連れて逃げろ!」
特級呪霊が動き出した。
虎杖くんがそう叫んだけど、彼1人で足止めをするなんて無茶すぎる。
地面に吸い込まれて行方が分からない野薔薇を恵ちゃんが探すぞ、と私の腕を引っ張って走り出した。
「虎杖くんが心配だよ、私だけでも戻る!」
「駄目だ!」
スパッと私の発言を切り捨てた恵ちゃんは玉犬の白を仕舞って鵺を呼び出した。
ドン、ドカンと遠くから振動が響いてくる。きっと虎杖くんが特級呪霊と戦っているんだ。
やがて行き止まりにぶつかったが、彼が体当たりすると壁が普通に開いた。あ野薔薇がいる!
「お前の顔覚えたからな...」
されるがままに吊るされた野薔薇を助けるべく、幸い下は水が張っていたので辺り一面に呪力を流し込んだ。
操れる水の量は多い、だが重たい。
「っ、水狼藉ィ!」
形にした水の重さを腕に感じながら、印を結ぶ。ザバリと大きく口を開けた巨大な狼の首が、野薔薇を持ち上げる呪霊を喰らった。水だって流れがあれば殺傷能力抜群。鋭く長い牙が体に刺さった呪霊はあっという間に蒸発した。
投げ出された野薔薇は恵ちゃんがカエルでキャッチしてくれたのでノープロブレム。
「...カエル苦手なんスけど」
「文句言うな」
「野薔薇怪我してるね、大丈夫?痛くない?」
「歌音... ...好き」
「ありがとう私もだよ」
「続きは高専に帰ってからやれ、行くぞ」
カエルの中で目を閉じた野薔薇、ため息をついて私の方を見る恵ちゃん。
やっぱりずっと心に引っかかるから立ち止まった。
「私、虎杖くんのところ行ってくる」
「ダメだ!虎杖は両面宿儺と入れ替わってるかもしれねえんだぞ!」
「大丈夫、私は多分殺されないから」
「は?お前何言って、」
そこまで言って恵ちゃんはグッと飲み込んだ。
ギリギリと歯を食いしばっている。なんだかんだ言って恵ちゃんは優しい。
「野薔薇をよろしく!」
「...必ず戻ってこいよ」
☆☆☆
元来た道を戻っているうちに玉犬の遠吠えが聞こえた。虎杖くんとの合図だから、宿儺が復活しているはず。
近くの柱の陰で息を整えているうちに、宿儺の声が聞こえてきた。でも遠いから何を喋っているのかは分からない。
宿儺が生きてるってことは虎杖くんも無事なのだろう。本当によかった。
愉快そうな声が聞こえて間もなく、コンクリートの床がガラガラと崩れていった。
浮遊感、落ちてる。やばいやばい、下が思ったより高い。
「ムリムリ!うわああ!?」
瓦礫が上から降ってくる。これ死ぬかも、とぎゅっと目をつむると、フワッと嗅いだことのある香りが鼻を掠めた。
「小僧が心配になって駆けてきたか?ケヒヒ」
目を開けると、案の定宿儺に拾われていた。
ちょっと遠いところに居たはずなんだけどなぁ、ワープできるチート私も欲しい。
「ご、ごめうぎゃっ」
ぽいっと投げられて変な体勢で受身をとる。危うく舌を噛む所だったぞ。
「おい、コレに指1本でも触れたら殺すからな」
特級呪霊は分かりやすく震え上がり、「オオォオ!?」と謎の奇声を発した。
それ以降は無理矢理私を見ないようにしている気がする。
呪霊に知能がある分、何故か申し訳なくなってきた。