銀魂
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「わあーい!」
「あんまし遠くに行くなよ」
「はーい!」
今日は先生と銀時兄ちゃん達とお山にピクニック。先生がたまには良いでしょ?と言うので朝から歩いて遠くの山へやって来た。
銀時兄ちゃんは「ねみぃ」とボヤきながら欠伸をしてて、小太郎兄ちゃんは先生と何か喋りながら歩いてる。私は晋助の声に返事をしながら辺りを駆け回っていた。
「ホントガキは体力有り余ってんな」
「そうですね。銀時も一緒に走ってきたらどうです?」
「やだァ俺もうオジサンだもん」
「毛も生えてない若造が何言ってんですか」
歌音と7歳離れてんだから歌音から見れば立派なオジサン!と主張する銀時と、それを特に感情の籠ってない目で見ているヅラを横目に、晋助はため息をついた。
パルクール並に岩の上をひょいひょい飛び回り、野原を疾風の如く駆け、川を軽々と飛び越える歌音は俺達を遥かに凌駕した運動神経を持ち合わせていた。力は馬鹿みたいに強いし、飯の量も俺達と同じくらい。6歳とは思えない身体の作りをしている。
松陽にコイツのことを聞くと"特別な子"、さらに問い詰めても「私の娘ですから」と何だか適当に流されてしまい、核心をつけなかった。
歌音の素性は不明だが、紛れも無く大切なちっせえ奴だと言うことには代わりない。
「そういえば歌音はどこに行ったんだ」
「あ?...居ねぇ」
「おいおい高杉ィちゃんと面倒みろよ」
「あん?俺のせいか?」
「まあまあ、歌音のことですからそのうち戻ってきますよ。そろそろお昼ご飯にしますか」
やってしまった、一瞬目を離した隙に...。俺は気が気で無かったので1人で探しに行こうとするが、先生が止めてくる。
「この辺は崖とか危険なものは無いですし、もし何かあっても私が直々にあの子に手解きしましたから」
「そうだ高杉、案ずることは無い。アイツのタフさはお前も知っているだろう」
ヅラの言う通り知らない訳が無い。剣の稽古の横でバリバリ格闘の手合わせをしているのだから。皆が知っていることだが歌音は強い。
諦めて見晴らしのいい場所でおにぎりを食べていると、近くの草むらが大きく揺れ、歌音がひょっこり顔を出した。よく見たら顔や着物の所々が汚れている。
「あー!やっと見つけた!皆どこ行ってたの!」
「バッカおめぇがどこ行ってたんだ」
もう!とぷんぷんしている歌音の頭に、銀時の拳骨がヒットした。
俺の心配なんてつゆ知らず、怒られた理由が分かっていない歌音のアホ顔を見ると何だか脱力してくる。
「うぅ、いたい」
はぁ、とため息をついた俺を歌音が見上げる。伺うような視線で何かを感じ取っているようだ。
「ったく、高杉が1番心配してたんだぞ」
「なんで?」
「なんでって、はぐれる前にお前の面倒見てただろ」
「そっか...晋助おこってる?」
「いや、別に。そもそも怒ってない」
「...よかった!むずかしい顔してるから怖かったんだよ」
「それはいつものことですよ。ねっ晋助」
やりとりを見ていた先生が口を挟んでくる。
先生が手招きをちょいちょいっとすると、歌音は弾かれたように動き出した。
「おにぎりの具は何が食べたいですか?」
「うーん、しゃけ!」
手拭いで歌音の手を拭かせて食べさせる。食事の時は歌音は大人しくなるのだ。
「おいし!さすがせんせ!」
「でしょ?歌音が鮭って言うと思って沢山作っておいたんです」
リスのように膨らんだほっぺたは、歌音が咀嚼して飲み込むと萎み、また頬張ると膨らむ。単純な繰り返しだが、まるで小動物を見ているかのようで飽きない。というかどんだけ食べるんだ。
「うりうりぃ」
膨らんだほっぺたを銀時が触る。暫く弄ばれているが歌音は抵抗しない。気にせずに食べているようだ。
手で挟むように持ったかと思うと、そのままほっぺたを潰しやがった。まさかとは思ったが、この歳になってもやるとは。
「んぼっっあぶっ」
「てめえ何考えてんだ」
「馬鹿者、そんなことしたら米が勿体ないだろう」
なんとか吹き出さずに堪えたみたいだった。
正面にいるのは俺とヅラだったから危ない。
松陽はケタケタ笑っていた。
「いじめたくなるのは人間の心理だろ。ほら、なんつーか妹みてえなもんだし、いや舎弟?」
「妹でいいです」
間髪入れずに松陽が言った。「しゃてい?」と首を傾げる歌音に「なんでもありません」と答える。余計な言葉は歌音に教えたくないらしい。
「じゃあ銀時兄ちゃんがお兄ちゃんかぁ。だったら小太郎兄ちゃんと晋助も兄ちゃんだね!」
よく意味がわかっていないのか深くとらえていないのか、歌音は纏めて俺らを兄妹にした。今まで暮らしてきた関係に名前をつけるならそれが丁度いい。
「血は繋がってなくとも同じ屋根の下で暮らせば兄妹のようなものだ。歌音は小さいしまだまだ俺達が守ってやらねばならん」
「フっ。テメェらと兄弟なのは気に食わねえが」
「ま、今までと変わんねえよ」
「ふふ。君達が兄なら安心して任せられます」
ヅラが歌音の頭を撫でた。
「あんまし遠くに行くなよ」
「はーい!」
今日は先生と銀時兄ちゃん達とお山にピクニック。先生がたまには良いでしょ?と言うので朝から歩いて遠くの山へやって来た。
銀時兄ちゃんは「ねみぃ」とボヤきながら欠伸をしてて、小太郎兄ちゃんは先生と何か喋りながら歩いてる。私は晋助の声に返事をしながら辺りを駆け回っていた。
「ホントガキは体力有り余ってんな」
「そうですね。銀時も一緒に走ってきたらどうです?」
「やだァ俺もうオジサンだもん」
「毛も生えてない若造が何言ってんですか」
歌音と7歳離れてんだから歌音から見れば立派なオジサン!と主張する銀時と、それを特に感情の籠ってない目で見ているヅラを横目に、晋助はため息をついた。
パルクール並に岩の上をひょいひょい飛び回り、野原を疾風の如く駆け、川を軽々と飛び越える歌音は俺達を遥かに凌駕した運動神経を持ち合わせていた。力は馬鹿みたいに強いし、飯の量も俺達と同じくらい。6歳とは思えない身体の作りをしている。
松陽にコイツのことを聞くと"特別な子"、さらに問い詰めても「私の娘ですから」と何だか適当に流されてしまい、核心をつけなかった。
歌音の素性は不明だが、紛れも無く大切なちっせえ奴だと言うことには代わりない。
「そういえば歌音はどこに行ったんだ」
「あ?...居ねぇ」
「おいおい高杉ィちゃんと面倒みろよ」
「あん?俺のせいか?」
「まあまあ、歌音のことですからそのうち戻ってきますよ。そろそろお昼ご飯にしますか」
やってしまった、一瞬目を離した隙に...。俺は気が気で無かったので1人で探しに行こうとするが、先生が止めてくる。
「この辺は崖とか危険なものは無いですし、もし何かあっても私が直々にあの子に手解きしましたから」
「そうだ高杉、案ずることは無い。アイツのタフさはお前も知っているだろう」
ヅラの言う通り知らない訳が無い。剣の稽古の横でバリバリ格闘の手合わせをしているのだから。皆が知っていることだが歌音は強い。
諦めて見晴らしのいい場所でおにぎりを食べていると、近くの草むらが大きく揺れ、歌音がひょっこり顔を出した。よく見たら顔や着物の所々が汚れている。
「あー!やっと見つけた!皆どこ行ってたの!」
「バッカおめぇがどこ行ってたんだ」
もう!とぷんぷんしている歌音の頭に、銀時の拳骨がヒットした。
俺の心配なんてつゆ知らず、怒られた理由が分かっていない歌音のアホ顔を見ると何だか脱力してくる。
「うぅ、いたい」
はぁ、とため息をついた俺を歌音が見上げる。伺うような視線で何かを感じ取っているようだ。
「ったく、高杉が1番心配してたんだぞ」
「なんで?」
「なんでって、はぐれる前にお前の面倒見てただろ」
「そっか...晋助おこってる?」
「いや、別に。そもそも怒ってない」
「...よかった!むずかしい顔してるから怖かったんだよ」
「それはいつものことですよ。ねっ晋助」
やりとりを見ていた先生が口を挟んでくる。
先生が手招きをちょいちょいっとすると、歌音は弾かれたように動き出した。
「おにぎりの具は何が食べたいですか?」
「うーん、しゃけ!」
手拭いで歌音の手を拭かせて食べさせる。食事の時は歌音は大人しくなるのだ。
「おいし!さすがせんせ!」
「でしょ?歌音が鮭って言うと思って沢山作っておいたんです」
リスのように膨らんだほっぺたは、歌音が咀嚼して飲み込むと萎み、また頬張ると膨らむ。単純な繰り返しだが、まるで小動物を見ているかのようで飽きない。というかどんだけ食べるんだ。
「うりうりぃ」
膨らんだほっぺたを銀時が触る。暫く弄ばれているが歌音は抵抗しない。気にせずに食べているようだ。
手で挟むように持ったかと思うと、そのままほっぺたを潰しやがった。まさかとは思ったが、この歳になってもやるとは。
「んぼっっあぶっ」
「てめえ何考えてんだ」
「馬鹿者、そんなことしたら米が勿体ないだろう」
なんとか吹き出さずに堪えたみたいだった。
正面にいるのは俺とヅラだったから危ない。
松陽はケタケタ笑っていた。
「いじめたくなるのは人間の心理だろ。ほら、なんつーか妹みてえなもんだし、いや舎弟?」
「妹でいいです」
間髪入れずに松陽が言った。「しゃてい?」と首を傾げる歌音に「なんでもありません」と答える。余計な言葉は歌音に教えたくないらしい。
「じゃあ銀時兄ちゃんがお兄ちゃんかぁ。だったら小太郎兄ちゃんと晋助も兄ちゃんだね!」
よく意味がわかっていないのか深くとらえていないのか、歌音は纏めて俺らを兄妹にした。今まで暮らしてきた関係に名前をつけるならそれが丁度いい。
「血は繋がってなくとも同じ屋根の下で暮らせば兄妹のようなものだ。歌音は小さいしまだまだ俺達が守ってやらねばならん」
「フっ。テメェらと兄弟なのは気に食わねえが」
「ま、今までと変わんねえよ」
「ふふ。君達が兄なら安心して任せられます」
ヅラが歌音の頭を撫でた。
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