銀魂
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鬼ごっこをする2人を縁側から眺めていると、だんだん人数が増えていく。3、4人集まりだしてからはギャーギャーと騒ぐ声が煩い。
鼻に小指をつっこんでボーっと見ていると、あのガキは体格差のある奴からすばしっこく逃げていた。
「足早えなぁ。アイツなにもんなんだ」
「...私が拾ってきた特別な子です」
「特別?」
「ええ。"曰く付き"の様ですが...」
「何だそれ」
「いいえなんでも。あの子を育てるのは骨が折れるかもしれませんよ」
「ふぅん...松陽なら大丈夫だろ」
本当に思ってますか?とオレの方を見てきた松陽は笑顔で綻んでいる。ああ、と返事をすればわしゃわしゃと頭を撫でられた。
☆☆☆
あれから歌音はオレにも懐き、衣食住の殆どを共に過ごすようになった。
稽古場に顔を出しては刀に怯えていた歌音だが、回数を重ねると竹刀や木刀は平気になったらしい。しかし未だに松陽の腰帯に納まった真剣にはビビり散らかしていたので、松陽は普段から自室に刀を置くようになっていた。
「ギブギブギブ!あ"あ"ぁ"ぁぁぁ」
「え?うそぉ」
それに歌音は力が馬鹿みたいに強かった。7歳オレたちは歳が離れているけど、力の差は7年ではない。アイツがヅラと高杉と薪割りをした時も下の株までカチ割ったと後から聞いたし、麓のデカい岩も蹴って粉砕したし、この間腕相撲をした時も舐めプしてたら引き倒されて肘から変な音がした。いや舐めプしたのはオレが悪いけど。
ちなみに岩を粉砕した時、飛び膝蹴りで膝に青アザが出来ていたが、それは半日もかからずに消えた。これには松陽も驚いていた。
今だってプロレス技を教えて早速キャメルクラッチをかけられたが、もがいても歌音の手は動かない。腕をバシバシ叩くと首元の手を離してくれた。
「あ、力強すぎた。ごめん銀時兄ちゃん!」
謝ったから許す。
ちなみにオレの事は「銀時兄ちゃん」、ヅラは「小太郎兄ちゃん」。高杉は......。
「しんすけ!」
「何でオレだけ呼び捨てなんだ」
「うーん......わかんない!」
こんな調子。
晋助兄ちゃんって語呂悪いしコレでも良くね?とオレは思ったりもする。歌音は何も考えてなさそうだった。
ガラッ
「全く...」
「お前ら何やってんだ」
「プロレス」
「変なもん歌音に教えてんじゃねえよ。大体どう言う経緯でプロレスやる事になるんだよ」
「そんなもん流れに決まってんだろ!」
「ながれー!」
引き戸を開けた高杉とヅラにため息をつかれる。
松陽やヅラは最近歌音に読み書きを教えている。平仮名やカタカナはある程度出来ていたらしく、絵本は1人で読めるらしい。コイツの親が教えていたんだろうかと些細な疑問が湧いては頭の隅で消えていった。
「歌音の両親は殺されました。彼女が刀を怖がるのも、斬られる瞬間を見てしまったからです」
"非常に精神がナイーブなので元の家族の話はしないように"
いつの日か、松陽がオレたちを集めてそう言った。
歌音がいた村が浪士に襲われたことも、アイツが血みどろで森を彷徨っていたことも全部聞いた。
夜中に歌音は泣くらしい。パパママとうわ言のように言っては涙を流すらしく、松陽もどうすれば良いか分からないようだった。
「子供の扱いにはかけているつもりでしたが、歌音は小さすぎました。私では親の代わりも務まりません」
松陽は小さくため息をついていた。
鼻に小指をつっこんでボーっと見ていると、あのガキは体格差のある奴からすばしっこく逃げていた。
「足早えなぁ。アイツなにもんなんだ」
「...私が拾ってきた特別な子です」
「特別?」
「ええ。"曰く付き"の様ですが...」
「何だそれ」
「いいえなんでも。あの子を育てるのは骨が折れるかもしれませんよ」
「ふぅん...松陽なら大丈夫だろ」
本当に思ってますか?とオレの方を見てきた松陽は笑顔で綻んでいる。ああ、と返事をすればわしゃわしゃと頭を撫でられた。
☆☆☆
あれから歌音はオレにも懐き、衣食住の殆どを共に過ごすようになった。
稽古場に顔を出しては刀に怯えていた歌音だが、回数を重ねると竹刀や木刀は平気になったらしい。しかし未だに松陽の腰帯に納まった真剣にはビビり散らかしていたので、松陽は普段から自室に刀を置くようになっていた。
「ギブギブギブ!あ"あ"ぁ"ぁぁぁ」
「え?うそぉ」
それに歌音は力が馬鹿みたいに強かった。7歳オレたちは歳が離れているけど、力の差は7年ではない。アイツがヅラと高杉と薪割りをした時も下の株までカチ割ったと後から聞いたし、麓のデカい岩も蹴って粉砕したし、この間腕相撲をした時も舐めプしてたら引き倒されて肘から変な音がした。いや舐めプしたのはオレが悪いけど。
ちなみに岩を粉砕した時、飛び膝蹴りで膝に青アザが出来ていたが、それは半日もかからずに消えた。これには松陽も驚いていた。
今だってプロレス技を教えて早速キャメルクラッチをかけられたが、もがいても歌音の手は動かない。腕をバシバシ叩くと首元の手を離してくれた。
「あ、力強すぎた。ごめん銀時兄ちゃん!」
謝ったから許す。
ちなみにオレの事は「銀時兄ちゃん」、ヅラは「小太郎兄ちゃん」。高杉は......。
「しんすけ!」
「何でオレだけ呼び捨てなんだ」
「うーん......わかんない!」
こんな調子。
晋助兄ちゃんって語呂悪いしコレでも良くね?とオレは思ったりもする。歌音は何も考えてなさそうだった。
ガラッ
「全く...」
「お前ら何やってんだ」
「プロレス」
「変なもん歌音に教えてんじゃねえよ。大体どう言う経緯でプロレスやる事になるんだよ」
「そんなもん流れに決まってんだろ!」
「ながれー!」
引き戸を開けた高杉とヅラにため息をつかれる。
松陽やヅラは最近歌音に読み書きを教えている。平仮名やカタカナはある程度出来ていたらしく、絵本は1人で読めるらしい。コイツの親が教えていたんだろうかと些細な疑問が湧いては頭の隅で消えていった。
「歌音の両親は殺されました。彼女が刀を怖がるのも、斬られる瞬間を見てしまったからです」
"非常に精神がナイーブなので元の家族の話はしないように"
いつの日か、松陽がオレたちを集めてそう言った。
歌音がいた村が浪士に襲われたことも、アイツが血みどろで森を彷徨っていたことも全部聞いた。
夜中に歌音は泣くらしい。パパママとうわ言のように言っては涙を流すらしく、松陽もどうすれば良いか分からないようだった。
「子供の扱いにはかけているつもりでしたが、歌音は小さすぎました。私では親の代わりも務まりません」
松陽は小さくため息をついていた。