「いっーー！」

「ドアホ！恥ずかしないんか！」

荊にゲンコツをされ、目尻に涙がちょこっと浮かぶ。だいぶ痛かったのでたんこぶが出来ているかもしれない。

「だって皆居るとは思わないでしょ！」

「そうかもしれへんけどお前は生体反応がキャッチ出来るやろ！常にそれ使っとけ！」

「無茶言わないでよ」

何故部屋に集まったのか。どうやら今いるだけでも在校生へ会いに行こうということで、成り行きで私の部屋に集まってきたらしい。どういう成り行きだよ。
どのみち暇になるので行くことにした。

☆☆☆

「やだぁ～サクラ超久しぶり、ハルカにスズカまでー！キャー！！ユキもー！キヨシくんお久～！」

いぶせっちに許可を貰って教室を尋ねると、先生方が特別に1時間だけ授業を中止してくれた。なんと教頭が1時間だけ、と融通を効かせてくれたのだ。教頭と井伏っちへのラブが増した。
色々なクラスを渡り歩いて暫く会えなかった皆と触れ合う。包帯を巻いている人もいたので、未だに実験は終わって無いことを痛感した。
その日の夜、新しい寮に在校生も入って良いと言うことなのでカラオケで死ぬほど歌い潰し、ほとんどオールした。
次の日は刹那の部屋へ詩音と突撃して1日居座った。刹那は心底ウザそうな顔をしていたがお構い無しだ。嫌そうではないので気にしない。荊や迷砂、真奈の部屋にも同じように突撃した。
そんな事をして遊んでいる間に再び1週間が経ち、派遣組のコッペリオンは全員揃う。教頭に呼び出され、私達は会議室へ集まった。

教頭「えー、近状報告をしてもらおう」

皆いい感じに暮らせているらしい。私は特に言うこともなかったので破壊神と仲良くなったと報告した。一同に驚かれる。そりゃそうだよな、良く考えたら地球って異常だわ。
すると会議室のドアが勢い良く開き、井伏っちが入ってきた。三教授が教頭を急遽呼び出したらしい。

ｶﾞﾁｬ
「只今入ってきた情報によると...」

暫くすると、息を切らせた教頭が戻ってきた。なんと界王神界へ力の大会が開かれるという通達が来たらしいのだ。
力の大会とはなんぞやと。教頭によると、人間レベルの高い第1、第12、第5、第8は出場免除で、それ以外の宇宙でサバイバル型の格闘大会が行われるらしい。
そこで三教授が思いつき、コッペリオンを別枠で試合に出す事に決めたようなのだ。出なくても良い試合に出させるとは、シンプルに面倒臭い。それに怪我したくない。
あ、そういえば三教授は界王神と破壊神との関わりがあるらしい。井伏っちから聞いた噂だが、コッペリオンが第1の人間レベル上げに貢献しているらしくってよ。
三教授の我儘が寛容出来るくらいは破壊神の心も広いようである。