1週間、軽いホームシックになりつつもなんとか過ごした。通話するか寝るか食べるかのどれかだったが。
ちなみにこの1週間、色んな人がブルマ邸を尋ねていたので画面越しに沢山の人が話し相手になってくれた。悟空夫妻やクリリン夫妻、ヤムチャさんとかビルス様ウイスさんまで。あまり寂しくなかった。
ついでにマサキくんの映画の公開初日にブルマがコネで映像を手に入れたと言う事で、スマホに送ってもらった。甘酸っぱい恋愛モノで、1人涙を流しながら見たのを覚えている。やっぱりマサキくんはかっこよかった。


うとうとしていると、とてつもない振動で壁に頭をぶつける。涙目になりながら外を見ると、故郷の星に着いていた。
宇宙船をカプセルに仕舞い、学校を目指す。
校舎の前には在校生の人集りが出来ていた。面倒臭いのでなるべく避けて行こうとすると、在校生の1人が私を見て「あ！」と声を出す。
視線がこちらを向いた。まずい。隙間から見えた囲まれている人は荊ではないか。

荊「そこに誰かおるんか！？た、助けてくれ！」

あっ、と思った頃には私も囲まれていた。早すぎた逃げられなかった。

「歌音だ～！」
「めっちゃ会いたかったよ！」
「久しぶりだな！」
「生きてたんだね！」

「あ、ちょっ、久しぶっ」

「なあ！お前の派遣された先ってどんな所なんだ？」
「カッコイイ人いるの？？」
「あたしも派遣されてみたーい！」

質問攻めされフラフラになっていた所を井伏っちが助けてくれた。
皆に会えたのはとても嬉しいのだが、1週間の長旅の後だ。いくら宇宙船が快適だとしても身体は疲弊しきっている。
騒動を聞きつけて先に着いていた刀馬もやって来る。私は歩くのも億劫になってしまったので、刀馬に背負ってもらった。荷物は荊が持ってくれたそうだ。
ガチャリと私の部屋のドアが開く。ベッドの上に投げられ、ぼすんっとバウンドした。荊は苦笑いしている。
オイオイオイ刀馬くんよォ、

「雑だなぁ」

「文句言うんじゃねぇ」

どうやら1週間以内に来れるコッペリオンはみんな着いているそうだ。荊、刹那、刀馬、迷砂、葵、詩音、私だな。
1番先に着いた荊が教頭に言われたそうなのだが、全員集まるまで待つらしい。時間的にあと1週間は余裕があるという事だ。もうちょっと遅くついても良かったんじゃ...。
ぼーっと2人の声を聞いていると、再びうとうとしてくる。荊と刀馬はそれに気づいたのか、詩音には言っとくから寝ろと言われた。
大人しく従おう。おやすみなさい...。


☆☆☆


「すぴー」

すっと意識が浮上してきた。
隣から寝息が聞こえる。とても聞き慣れた音。横を見ると詩音が鼻ちょうちんを膨らませて眠っていた。

「すぴー」

自分の片割れは相変わらずのようである。いつものアホ面で安心した。
とりあえず詩音を起こさないようにして、シャワーを浴びよう。


時間にして40分くらいは経っただろうか。
脱衣所へのドアを開けると火照った体がひんやりとした空気に包まれる。
あ、着替え持ってくるの忘れたわ、確か荊が寝室にスーツケースを置いてたような...。バスタオルを身体に巻いてリビングへ出た。

詩音「あ、姉貴！」

荊「お前っ！どんな格好で出てきとんや！」

刀馬「なっ、なっ」

迷砂「ヒュウ～！ナイスバディっす！」

葵「せせせ、先輩！」

いつの間にかリビングの中央で皆が団欒していた。知らなかった、皆いたんだ。
思ったより恥ずかしさを感じなかった自分に少しびっくりしたが、荊や葵ちゃんに視界を覆われて慌てる刀馬がとても面白い。
笑っとる場合か！と急かされながら着替えた。