ﾊﾞｷﾊﾞｷｯ
「あの技を破っただとォ！？」

「波ーーー！！」が響くとヒットさんの光の壁にヒビが入った。
シャンパ様は狼狽えヴァドスさんでさえ吃驚した顔をしている。
ヒットさんの技を破っているのが凄いのかな？やっぱり悟空ってすごいや。
完全に光の壁が壊れて、かめはめ波が海をえぐって空の彼方へ飛んで行く。あの2人は体の一部を海に浸けて倒れていた。


「一体誰がカカロットを殺すよう依頼したんだ！」

ベジータが疑わしい、とでも言いたげな顔で私を見る。そんな訳ねぇと首をぶんぶん横に振った。
ウイスさんや悟空本人によって根端がバラされ、ベジータは怒り、ヒットさんは呆れたような顔をしている。改めて聞いたら滅茶苦茶だよなぁ...。でも悟空としてはヒットさんが本気で殺しにかかってくるのだから、その分本気で闘えるのが良いのかもしれない。いずれにせよ共感は出来ないが。
続けざまにピッコロさん達がやって来ているのが生体反応で感じられた。多分チチさんや悟飯さんなんかもいる。

「孫悟空、この依頼に期限はあるか？」

「そんなもんはねぇよ」

「そうか。ギャラリーが多くて仕事にならん。背後には気を付けておくんだな」

と言い残してヒットさんは帰って行った。
きゃあぁぁ！去って行くヒットさんもかっこいい！
続けざまにヴァドスさん達も帰っていく。2人に感謝の意を込めて手を振った。多分見えているだろう。


「ベジータさん、おばあちゃん秘伝のタレステーキ、忘れないで下さいね！」

「しまったぁ～！口から出任せを言っていたんだった～！」ﾎﾞｿｯ

「よく分かんないけどステーキ屋さんなら私知ってるよ」ﾎﾞｿｯ

「ほっ、本当かッ！」ﾎﾞｿｯ

☆☆☆

孫一家は家へ帰り、ベジータと私とビルス様達でステーキ屋に直行した。
今日はなんとベジータが奢ってくれるらしい。素直に礼を言えないベジータなりの感謝の仕方だ。
今まで誰にも言わずに、ひっそりと通っていたステーキ屋を紹介した。誰にも明かさなかったのは何となくで特に理由はない。外食したいと思った時は偶に此処へ来ていたのだ。ちなみに食べログは星4.5評価なのでお客さんは結構多い。
おばあちゃん秘伝ではないがどうにかしてベジータが誤魔化してくれるだろう。

一口サイズに切った肉汁あふれるステーキを頬張った。