数日後、ビルス様の星でお茶をしているとヴァドスさんとシャンパ様がやって来た。あっ今日なんだ。
たまたま通りがかったベジータが「何故そいつ等と！？」みたいな顔をしている。気にせず手を振っておいた。

「ヴァドスさんお願いしま〜す」


「ふふふ、」

☆☆☆

珍しくウイスの顔が拗ねているようにヴァドスは感じていた。弟が何を考えるのかなんて表情でお見通しだ。
第7の破壊神やその付き人のみならず、自分の仕える主人など自分が知る限りの者達は皆歌音を大切にしているように思える。
弟のアレは“嫉妬”だ。

「はァ？どう見てもオレ様の方が抱き心地いいだろうが！」

「はっはっははは！」

まるで保護者のような愛、もしかしたら彼女には周りを惹くような能力があるのかもしれない。かくいう自分も、仕える主人と話す少女を気に入っているのだが。
ちょっとした優越感に浸りながら宇宙の中を進んだ。

「シャンパ様はお腹まわりや背中が特にぷよぷよで枕に適していますよ」

「ヴァドス！？」

「ヴァドスさん？」

☆☆☆

「シャンパ様、どうしてヴァドスさんあんなに機嫌良いんですか？」

「オレも知らん。アイツ時々何考えてんのか分かんねんだよ」

やけに機嫌が良さそうに感じるのだが、一体何が。コソコソとシャンパ様に聞いてみるが情報は得られない。まあ良い事があったんだろう。
「始まりましたよ」とヴァドスさんが杖で映像を見せてくれる。しばらく観戦していると、悟空が心臓に1発喰らって倒れてしまった。ヴァドスさんの解説によると本当に心肺停止状態なのだが、横にはピッコロさんや悟飯さん、悟天がいるのが映し出されている。どうにかなりそうな安心感がすごい。
落ちてきた気で生き返った悟空は場所を移動して、再びヒットさんと戦い始めた。また丁度良くそのタイミングで私達も地球に到着した。

崖の上に着地して観戦する。
ヒットさん見るの久しぶりだなぁ。無駄のない動きで攻撃をする姿は結構かっこ良くて、あの親善試合以来ファンだ。にわか程度だがな。
しかし彼らの間で何が起きていることがさっぱり分からない。さっきから瞬間移動ばっかりしているのだ。

「ヒットさんは時を飛ばした時間を貯めて、更に別の世界を作っているんです」

「ひょえ〜」

「もうスゴすぎて全然分かんねぇよ！」

時間操作なんてチートすぎて私もよく分かんねぇよ！でもかっこいいです！音が鳴らない設定にしてこっそりと写真を撮った。あ、ブレブレだわ。

するとビルス様達とベジータの声がする。私達よりも近い場所にいるようだ。彼等も見学しに来ているらしい。

「お？なんで歌音が一緒にいんだ？」

「いいからさっさと決着をつけろ」

悟空が疑問に思うのも仕方ない。確かにこの面子3人ってなかなか無い。
独特の構えをとった悟空がブルーになって気を溜め始めると、私達の座っていた崖が崩れ始めた。やばくね？と慌てる前にヴァドスさんの万能杖のおかげで浮いている。
天使も人知超えすぎな気がせんでもない。