目を覚ますなり目の前のガラスの扉がスライドして空いた。ビックリして眠気なんて飛んでいったわ。
起き上がってみると少し頭痛がする。痛いところを押さえていると、ちょうどパパさんとママさんがこの部屋に入ってきた。

「お、目が覚めたか」

「あら歌音ちゃん、調子はど〜お？」

この部屋に用事があって来たらしく、ピッタリなタイミングで私は目覚めたようだ。パパさんの手を借りて立ち上がってみると少し頭がくらりとした。どうやらこのメディカルマシーンで丸12時間眠っていたらしい。
自分で言うのもなんだが似たような経験があるからか回復が早いようだ。現在は朝の11時、パパさんとママさん曰く皆テラスに集まって何かお話しているらしい。リハビリも兼ねて皆がいる所へ歩くことにしよう。
その前にお風呂入りたいので自室へ行く事にした。
スカートだけ脱がされていたが、幸い下に短いズボンを履いていたのでそこら辺の心配はない。血まみれスカートはもう捨てて新品をおろすことにしよう。

☆☆☆

「おめえ起きといて平気なんか！」

「うん、割と平気。皆、昨日は迷惑かけちゃってごめんなさい！」

ブルマ邸のテラスでは丁度ブラックとザマス様の正体について話していた様である。皆の大丈夫かコールに返事をしながら空いている席へ座った。

「神様を倒す方法を教えて頂戴！」

「僕に喧嘩売ってるのかい」

途中参加した私のために最初から順を追って説明してくれるようだ。
どうやらザマスやブラックは人間を異常なほど忌み嫌っており、全人類を絶滅させようとしている。そして1番解明できない謎は、ザマスが何故不死身なのかだった。
それにビルス様達と一緒に来た界王神様曰く、ズノウと言う人の元にザマスがやって来てスーパードラゴンボールなどについての情報を聞いてきたらしいのだ。どうやらこの時代のザマスも動き始めたようである。

「第10宇宙の界王神、ゴワスさんの命が危険ということです」

ウイスさんがそうまとめると、早速ビルス様達と界王神様と悟空がゴワス様の所へ出発していった。今のザマスに興味がないベジータは此処に残って修行をするそうだ。
病み上がりで貧血な私は暇になってしまったのだがさすがにまた寝る事は出来ず、ブルマのタイムマシンの修理を手伝う事にした。

しかし手伝い始めて数時間経ったのだが...

「ぬぅぅ...」

機械修理は何回やっても慣れない上に今日は頭がぼうっとしてくる。どうも集中出来ていない私を見かねて、ブルマは休憩してきたらと促してきた。このままでは邪魔になってしまうし、大人しく従おう。ピラフくんやマイちゃん、シュウくんもいるから任せようか。あれ、マイちゃんってマイと同姓同名じゃないか。顔が似てる気がするしもしかして同一人物？そういえば未来のマイは大丈夫なのだろうか。

気分転換で風に当たろうと外へ出ると、空は夕焼けの色に染まっている。もうこんな時間なのか、ブルマに知らせて夕飯の準備しなくちゃ。

その夕焼けの下では小さなトランクスがトランクスくんの心のアフターケア(組手)をしている。それを手すりに凭れながら眺めていると、やがて2人は和解したようで握手をしていた。
続けざまにビルス様達が帰ってきて庭に大穴を空けて帰ってくる。悟空とビルス様がぎゃあぎゃあと騒ぎ始めた所で観察にも飽きてきたので、ブルマのいる部屋へ戻ることにした。